高額療養費の多数回に該当しない場合。半年に1回や1年前の入院など。

「定期的に検査入院をしているのに高額療養費が使えない。」、「去年も入院して長期だったから多数回になっている。」という方もいます。

高額療養費は過去12か月という対象期間があり、時期によって偶然にも多数回にならないことがあります。

今回は「どんな患者さんが4回目にならないのか?」、残念ながら毎回1回~3回までの計算で、80,100円になってしまう事例をご説明します。半年に一度の定期検査や、1年前にした長期入院などの実際にあったことなので、参考になるかと思います。

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6か月毎に検査入院をしてるのに何回も80,100円の計算される。

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がんなどの病気は経過観察が必要で、数か月に一度の検査入院をする患者さんがいます。3か月ごとや半年ごとなど、定期的に高額療養費を使っている。限度額適用認定証も継続して持っているのに、多数回にならないことがあります。

6か月に1回の限度額超えなら、高額療養費の回数は2回目を繰り返します。

例えば、6か月ごとの大腸がんの定期検査をしている患者さん。7月に80,100円を超えて1回、1月にもう1回、次の7月でまた1回・・・。7月と1月に限度額適用認定証で安くなっているし、4回以上入院しているのに多数回になったことがない。

「高額療養費の回数の数え間違い。」や、「4回目以上で計算ができていない。」、と疑われることがあります。

しかし、過去12か月間で3回使ったら、4回目から多数回になる、というのが高額療養費の制度です。6か月に一度で見てみると、去年の同月は1回に含まれません。

2014年7月に1回、2015年1月に2回目、2015年7月に2回目、2016年1月に2回目、2016年7月に2回目・・・。7月分の医療費は、前年8月から今年7月までが高額療養費の対象期間です。去年の7月は1回とカウントされないのです。

つまり、半年に1回の入院だったら高額療養費は毎回2回目となり、4回目以上の多数回にはなりません。いつも80,100円の1回目~3回目の計算です。患者さんの入院としては、4回目、5回目でも、高額療養費はどう考えても2回目です。

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私は去年もう多数回になっているから次も44,400円になるはずだ。

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骨折やがん治療などで長期入院する患者さんがいます。1年後に違う病気で検査したり、がんの再発などで手術した時、前回の高額療養費が、継続されていると思われていることが多いです。

一度、高額療養費の多数回になったとしても、1回目~3回目に戻ることがあります。

例えば、2015年7月~10月に右足を骨折して緊急入院した患者さん。手術後はリハビリをして約4か月間の入院だったので、退院する月に4回目の多数回該当した。外来でリハビリ通院をして、翌月からは40,000円程度の医療費だった。

1年後、肺がんになってしまった。高額療養費の説明をされて、限度額適用認定証の手続きを済ませた。去年の夏に、一度多数回になったし、外来費で4万円も毎月支払ってきた。「今回も入院も44,400円の限度額だろう。」と思っていた。

翌月10日に先月分の入院請求書が配られて、金額を見たら80,100円で驚いた。「去年の夏に骨折して多数回になった。だから44,400円なのに80,100円の医療費はおかしい!」というお問い合わせが事務にあります。

患者さんが言う去年の夏は、2015年7月から10月。確かに最後の月は多数回になっていますが、11月からは限度額の44,400円に達していません。2016年9月分は、2015年10月~2016年9月までが高額療養費の対象期間になります。

退院してからは外来に通っていても、高額療養費を使っていないので、1回にカウントされないです。なので、骨折した時の入院費は7月、8月、9月が無効。去年10月が1回目、肺がんで入院した2016年9月は2回目となります。

高額療養費の回数は継続されません。過去に多数回になったことがあっても、次回も必ず多数回になるとは限らないのです。

 

【まとめ】過去12か月間の期間は診療月によって変わります。

  • 高額療養費の回数は過去1年間の使用数で決まる。
  • 過去1年間は12か月間のことで、昨年の同月は含まれない。
  • 多数回は一度なっても1回目に戻ることがある。
  • 季節や時期は関係ない。診療月で対象期間が変動する。

「一度多数回に該当したら、ずっと44,400円じゃないの?」、「もう入院4回なのに、いつ多数回になるの?」など。高額療養費の回数についての疑問が多いため、多数回該当しない事例を元にポイントをまとめました。

高額療養費のポイントである「過去12か月間」がよくわからず、何回目になるのか混乱する患者さんが多いです。

2016年9月分は、2015年10月~2016年9月まで。
2016年10月分は、2015年11月~2016年10月まで。
2016年11月分は、2015年12月~2016年11月まで。

高額療養費の回数は、対象期間によって何回目になるのか変わります。多数回になったことがあっても、3回目になることがあります。「確か1年前、去年の冬頃」など季節などは大体目安になりますが、数え方としては違います。

診療月によって1か月ずつずれていきますので、少々ややこしいかもしれませんね。「こういう場合はどうなるんだろう?」など、不明な点があればお答えします。コメントやメールなど、お気軽にご質問ください。

高額療養費の回数については、別の記事でも解説していますので、参考にご覧ください。

 

保険証や健康保険などについての記事は他にもあります。参考にご覧ください。

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8 件のコメント

  • 28年2月入院で57600円
    28年4月入院で57600円
    28年8月入院で57600円
    28年11月入院で44400円

    28年12月外来で57600円
    29年1月外来で57600円
    29年2月外来で57600円
    29年3月外来で44400円
    同じ病院で保険者は初診時から変更なしです。
    28年12月も29年1月も2月も多数該当になると思うのですが私が間違えてますか?病院はシステムで管理してるので間違いないといいます。保険者で還付してもらえますか?

  • まーさん、こんばんは。
    コメントありがとうございます。
    葉月です。

    平成28年12月と、平成29年1月、平成29年2月も多数該当です。
    高額療養費の回数の数え方はまーさんの方が正しいです。
    保険者に還付手続きをすれば、40,800円がまーさんに戻ってきます。

    病院のシステムが管理しているは当てになりません。
    システムが間違ってることもあるので、自分で何回目になるのか数えてみる必要がありますね。
    今後も1回目~3回目の金額に戻って、還付手続きができるか不安だったら、またご連絡ください。またお答えします。

    お大事にしてください。

  • 教えてください。
    保険者(就職先が変わるなど)が変更になったとき、毎月の支払いが高額療養費であってもそれは1回目となり、3回目までは還付がないのでしょうか。

    • おしえてさん、こんにちは。
      コメントいただき、ありがとうございます。

      保険者が変更になったときは、基本的に1回目に戻ります。
      ですが、転職前後などで、健康保険が同じでなら変わらない場合もあります。
      保険者番号という健康保険ひとつひとつの番号が同じであれば、職場が変わっても多数回のまま継続されます。

      たとえば、全国健康保険協会の場合。
      全国健康保険協会の北海道支部に加入していたら、保険者番号は01010016です。
      再就職先が加入している健康保険が、同じ協会けんぽの北海道支部なら、保険者番号は01010016です。
      同じ保険者番号なので、多数回のまま、高額療養費の計算になります。

      就職先が同じ県内でも、本社が他の地域であれば、支部も変わります。
      全国健康保険協会の北海道支部に加入していた。
      勤務先が変わって、同じ市内の会社で働くことになった。
      でも、新しい職場の本社は東京だから、全国健康保険協会の東京支部の保険証だった。
      という場合は、保険者番号が01130012になります。
      同じ市町村内、同じ都道府県内であっても、保険証に記載されている、「保険者番号」が違ったら、高額療養費の回数は引き継ぐことができません。

  • 初めて拝見させて頂きました。
    質問させてください。
    「私は去年もう多数回になっているから次も44,400円になるはずだ。」の説明を見させて
    頂きました。
    この例は3割負担の方とお見受けしました。
    そこで例えばですが、2015年11月の外来診療費は15,000点=45,000円・12月も15,000点=45,000円だった場合、2016年の9月は過去12か月に3回以上、上限額に達した場合云々の条件にあたり、44,400円になるのでしょうか?
    というのも本文の「患者さんが言う去年の夏は、2015年7月から10月。確かに最後の月は
    多数回になっていますが、11月からは限度額の44,400円に達していません。」の中の「
    限度額の44,400円に達していません。」という言葉から考えると、多数回該当後の2015年11月以降は毎月15,000点を超えていれば、ずっと多数回該当の高額療養費44,400円に該当すると考えてよいのでしょうか?
    私は80,100円(26,700点)を超えた月が過去12ヶ月に3回以上あった場合、4回目から上限額が44,400円に下がるものだと理解していたので、44,400円に達していればいいという考えがわからず質問させていただきました。
    質問内容がまとまっておらず大変申し訳ありませんがご回答お願い申し上げます。

    • オカッティさん、こんばんは。
      はじめまして、ブログ管理人の葉月です。
      当ブログは69歳以下の一般の方について書いています。
      お察しの通り、この記事も3割負担です。
      さて、ご質問の内容にお答えいたします。
      2015年11月の外来診療費15,000点(3割負担45,000円)
      2015年12月の外来診療費15,000点(3割負担45,000円)
      だった場合ですが、2015年10月から数えて、2016年9月は4回目で多数回該当になります。
      限度額は1回目~3回目まで限度額(80,100円)未満でも、4回目以降(多数回44,400円)の限度額を超えていれば、1回とカウントします。
      >多数回該当後の2015年11月以降は毎月15,000点を超えていれば、ずっと多数回該当の高額療養費44,400円に該当すると考えてよいのでしょうか?
      こちらのご質問は、はい、仰る通りです。
      15,000点以上で高額療養費制度を利用していれば、毎月ずっと多数回該当になります。
      念のため、協会けんぽにも確認しました。
      高額療養費は、計算や回数、限度額などわかりにくいですよね。
      また何かご不明な点などありましたら、ご連絡ください。
      お体お大事になさってください。

      • 返信ありがとうございます。
        自分の事でもあり、たまたま改正の時でもあり確認せざるを得ない状況下で
        葉月様のページにたどり着き、わかりやすい説明を読ませて頂きました。
        お手数をおかけいたしました。
        大変参考になりました。

        • オカッティさん、こんばんは。
          お役に立てたなら良かったです。
          不明な点がありましたら、コメントやお問い合わせなど、またご連絡いただけたらと思います。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    専門学校で3年間、医療事務の勉強。医療事務や診療情報管理士の資格を取得しました。就職先も、大きな総合病院から小さなクリニックまで、4か所で医療事務の仕事をしてきました。健康保険や高額療養費、入院費、外来費、DPCの計算、医療費は難しい。なので現在は、専門学校で勉強してきたことと、元医療事務の経験を元に、困ってる患者さんへブログで医療費の情報を発信しています。