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70歳以上の現役並み所得者も限度額適用認定証の申請が必要です。

70歳以上の高額療養費が、平成30年8月1日から変更になりました。主に変わったことは、「現役並み所得者」が3つの区分にわけられて、更に細かくなったことです。

現役並み所得者(上位所得者)が、区分Ⅲから区分Ⅱ、区分Ⅰと、所得にで3段階に振り分けられました。252,600円から167,400円、80,100円など各区分ごとに、高額療養費の金額、1か月に患者さんが負担する医療費の限度額も異なります。

また、現役並みの区分Ⅱ、区分Ⅰの患者さんは、今月から健康保険証の他に限度額適用認定証も必要になります。申請手続きをしなければ、限度額が1番高い区分Ⅲで計算されて、還付申請をしても返金されるのは3か月後です。

今回は高齢者の高額療養費で、「現役並み所得者」について詳しくご説明します。区分ごとの限度額や、限度額適用認定証の申請、これからの保険証の枚数などまとました。

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現役並み所得者の区分Ⅱ、区分Ⅰは限度額適用認定証の手続きが必要になりました。

高額療養費の区分 限度額適用認定証 外来+入院(世帯ごと)、1回~3回まで 多数回該当、4回目~12回目まで
現役並み所得者 区分Ⅲ 手続きの必要なし 252,600円+(医療費-842,000)×1% 140,100円
現役並み所得者 区分Ⅱ 手続きの必要あり 167,400円+(医療費-558,000)×1% 93,000円
現役並み所得者 区分Ⅰ 手続きの必要あり 80,100円+(医療費-267,000)×1% 44,400円

70歳以上の高額療養費が、今月から新しくなりました。課税所得や年収、標準報酬月額によって、「現役並み所得者が3段階に区分わけされたこと」が大きな変更点です。

限度額は上記のように、区分Ⅰで80,100円+1%、所得が多ければ区分Ⅱや区分Ⅲのように167,400+1%、252,600円+1%と、高額療養費の負担金額が上がります。

またこれまで現役並み所得者の患者さんは、限度額適用認定証の手続きをする必要がありませんでした。保険証に記載されている負担割合の「3割」で、上位所得者と判断できるため、高額療養費の限度額も自動的にわかっていたからです。

ですが、今回現役並み所得者も3つの区分ができたので、区分Ⅰと区分Ⅱの患者さんは、限度額適用認定証が必要になります。区分Ⅲの患者さんは、高額療養費の手続きをしなくても、自動的に限度額で計算されます。

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現役並みの区分Ⅱ、区分Ⅰは限度額適用認定証がなければ区分Ⅲの医療費です。

現役並み所得者の区分 1か月の限度額
区分Ⅲ 254,180円
区分Ⅱ 171,820円
区分Ⅰ 87,430円

たとえば、3割負担で300,000円(30万円)の医療費だったとき、高額療養費を使った1か月の限度額を上の表にまとめました。

現役並みの区分Ⅲの患者さんは、特に限度額適用認定証の手続きをしなくても、1か月254,180円になります。自動的に高額療養費が適用されるので、大丈夫です。

現役並み所得者の区分Ⅰや区分Ⅱの患者さんは、何も手続きをしなければ現役並みの区分Ⅲとして254,180円になります。

  • 現役並みの区分Ⅱの患者さんは、254,180円→171,820円
  • 現役並みの区分Ⅰの患者さんは、254,180円→87,430円

と、限度額適用認定証を申請することで、1か月の医療費を抑えることができます。

病院の事務では、保険証だけでは3割負担ということしかわかりません。区分が記載されていなければ、どの限度額を適用したらいいのか、確認できないため、1番限度額が高い現役並みの区分Ⅲになります。

 

限度額適用認定証の発行が間に合わなかったら還付申請で払い戻しができます。

  • 現役並みの区分Ⅱ、区分Ⅰなのに、限度額適用認定証を手続きしなかった場合。
  • 月末の入院や旅行中の怪我など、限度額適用認定証の発行が間に合わなかった場合。

このようなときは、一度、現役並みの区分Ⅲで医療費を病院に支払って、後日、健康保険で還付申請をすると、区分Ⅱや区分Ⅰとの差額を払い戻ししてもらえます。※69歳未満の高額療養費で還付手続きと同じ考え方です。

3割負担で医療費30万円かかったとき、

現役並みの区分Ⅲの方は、高額療養費を使った限度額は254,180円です。

現役並みの区分Ⅱの方は、一度区分Ⅲの254,180円を病院に支払い、区分Ⅱの限度額、171,820円との差額、82,360円を健康保険に返金してもらう。

現役並みの区分Ⅰの方は、一度区分Ⅲの254,180円を病院に支払い、区分Ⅰの限度額、87,430円との差額、166,750円を健康保険に返金してもらう。

限度額適用認定証がなくて、現役並み所得者の区分がわからない場合は、区分Ⅲの1番高い限度額で計算する。区分Ⅱや区分Ⅰが確認できたら、区分ごとの限度額で計算します。ということです。

クレジットカードのポイントを貯めているなど、患者さん自身や家族に事情があれば、あえて現役並みの区分Ⅲで請求書を作ってもらうことも有りです。69歳未満と違って、3割負担でも100万円、200万円になる可能性はありません。

最高金額でも254,180円なので、金銭的な余裕があれば17万円でも18万円でも多めに支払ってもいいですね。クレカのポイントが貯まり、多く支払った分は3か月後でも必ず返ってきますから。

しかし、特に理由がないのなら、1か月の医療費を限度額までで計算してもらえるので、限度額適用認定証の手続きをすることをおすすめします。

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限度額適用認定証は保険証と一緒に保管しておきましょう。

現役並み所得者の区分 健康保険証 高齢受給者証 限度額適用認定証
区分Ⅲ ×
区分Ⅱ 〇(申請が必要)
区分Ⅰ 〇(申請が必要)

70歳から74歳までの患者さんは、健康保険証と高齢受給者証の2枚は、必ず持っています。更に、現役並み所得者の区分Ⅱと区分Ⅰの方は、限度額適用認定証を合わせて、3枚になります。

 

現役並み所得者の区分 後期高齢者受給者証 限度額適用認定証
区分Ⅲ ×
区分Ⅱ 〇(申請が必要)
区分Ⅰ 〇(申請が必要)

75歳以上の患者さんは、後期高齢者受給者証1枚は、必ず持っています。更に、現役並み所得者の区分Ⅱと区分Ⅰの方は、限度額適用認定証を合わせて、2枚になります。

 

限度額適用認定証の発行手続きは、強制的なものではありません。患者さんや患者さん家族が必要ない、現役並みの区分Ⅲでも支払える、ということなら、申請しなくても大丈夫です。

ですが、手続きさえしておいて、限度額適用認定証が手元にあれば、患者さんの区分がわかります。「あとで還付申請すれば16万円戻ってくる」と思えれば安心です。

現役並みの区分Ⅲで医療費が計算されても、「今月は区分Ⅰの限度額にしてほしいなぁ」というとき、限度額適用認定証をだせれば、区分Ⅰや区分Ⅱに計算し直せます。

また、病院の事務としても、限度額適用認定証を持っていないと不安になります。「現役並みの区分Ⅲでお支払い大丈夫かな。限度額適用認定証の手続きが必要になったことを知らないのかな。案内した方がいいんだろうか。」、すごく悩みます。

「現役並みの区分Ⅰの限度額適用認定証を持っているけど、あえての現役並みの区分Ⅲにしてほしい」など教えてもらえれば、患者さんもわかってるから案内をしなくてもいい。と病院としても安心できます。※現役並みの区分Ⅲで計算するときも、念のため、コピーをとることがあります。

高齢者の患者さんは、入院が長引くことがよくあります。2つ、3つの病気を持ってることも多く、3割負担ということもあり、医療費も高額になる可能性があります。

限度額適用認定証があれば、すぐに区分ごとの医療費で計算できます。患者さんの現役並み所得者の区分を知るためにも、病院にださなくてもいいので、限度額適用認定証を手続きしておくことをおすすめします。

 

70歳以上の高額療養費でも、特に大きく変わった「現役並み所得者」に焦点をあてて調べました。新しい区分ができたり、限度額が変わったり、戸惑うことも多いですよね。

こちらのページでは、今回平成30年8月から変わった高齢者の高額療養費をまとめています。各区分の限度額や課税所得や年収、標準報酬月額の区分が決まる収入、限度額適用認定証の申請が必要かを一覧にしています。合わせてご覧ください。

→【最新】平成30年8月から高齢者の高額療養費。限度額、所得、まとめ。はこちら

 

高額療養費のことでわからないときは、病院の事務や、市役所などの加入している健康保険に聞いてみるのが早いです。所得や区分、大体の医療費など、患者さんのことを知っていますので、より詳しく説明してくれます。

それでもよくわからなければ、私にお問い合わせをいただいても、可能な範囲でお答えいたします。遠慮なく連絡ください。

→葉月に質問、問い合わせメールを送るにはこちら

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