HCU病棟(HCU病床)は、ハイケアユニット(High Care Unit)の頭文字をとった略称です。日本語にすると、「高度治療室」という意味です。
ICUほど注意深く様子を見なくてもいいけれども、一般病棟ではちょっと心配で気を付けて経過観察したいときに入院します。なので、やはりHCUの入院費用も、ICUほどではありませんが高くなります。
実際、このページには「HCU 入院費 相場」などで検索して、HCUの入院費用を調べている患者さんに見られています。
実はHCUの入院費は、病院に独自に決められる料金じゃないので相場はないです。病院や患者さんの治療内容、HCU病床の入院日数などによって決まっています。
HCUの入院費用は、3割負担にして、約6,000円~約20,000円くらいです。しかし、6,000円と聞くとハイケアユニットなのに意外と安い印象ですが、他にもかかってくる料金があります。
なので、HCUは大体1日20,000円くらいを目安に考えるといいでしょう。
それでは、HCUの入院費を詳しく解説していきます。ちょっと専門的な言葉もでてきますが、患者さん向けにわかりやすくお話しますので、ゆっくり読んでみてくださいね。
HCUの入院料は「ハイケアユニット入院医療管理料」といい、2種類あります。
HCUの入院費は大きくわけて、2つあります。正式名称としては、「ハイケアユニット入院医療管理料」で、1と2です。この「1」と「2」は、病院によって変わります。
HCU病棟の設備や看護師の人数など、国が決めた基準を満たしている病院が、2種類にわけられます。より厳しい審査基準をクリアできた病院は料金が高くなる仕組みです。
- ハイケアユニット入院医療管理料1(→HCU入院料1)
- ハイケアユニット入院医療管理料2(→HCU入院料2)
HCUの入院料は、正式名称のままだと長くわかりにくいので、以下、このページでは、「HCU入院料」で、1、2にわけて記載しています。
また、点数の右横カッコ内は、3割負担にしたおおよそのHCU入院料です。患者さん負担額として参考までに記載しています。
出来高か、DPCか、入院費の計算方法で変わるHCU入院料。
【出来高計算の病院】HCU入院料はシンプルに2種類のみ。
出来高計算の病院 | |
HCU入院料1 | 6,855点(20,565円) |
HCU入院料2 | 4,224点(12,672円) |
HCUの入院費は、病院や患者さんの治療内容、HCU病床の入院日数によって決まります。
まず入院した病院が、入院料金、検査や処置などの治療をした分だけ料金が積みあがっていく「出来高計算の病院」だった場合です。
HCU入院料1では、6,855点。10割負担で68,550円ですが、健康保険で3割負担にすることで、20,565円になります。
HCU入院料2では、4,224点。10割負担で42,240円ですが、健康保険で3割負担にすることで、12,672円になります。
HCUの入院料は、1も2も、1入院、最長21日間までとなっています。
ほとんどの病院では、HCU入院料1でしょう。ただし、設備や人員不足などで、どうしてもHCU入院料1の条件をクリアできず、HCU入院料2の場合もあります。
出来高計算の病院は、HCU入院料が、1と2しかないので、シンプルでわかりやすいですね。
【DPC計算の病院】HCU入院料は一般病院、専門病院、特定機能病院から、更に2種類ある。
DPCの一般病院 | DPCの専門病院 | DPCの特定機能病院 | |
HCU入院料1(14日以内) | 5,023点(15,069円) | 4,961点(14,883円) | 4,761点(14,283円) |
HCU入院料1(15日~21日以内) | 5,281点(15,843円) | 5,266点(15,798円) | 5,266点(15,798円) |
HCU入院料2(14日以内) | 2,392点(7,176円) | 2,330点(6,990円) | 2,130点(6,390円) |
HCU入院料2(15日~21日以内) | 2,650点(7,950円) | 2,635点(7,905円) | 2,635点(7,905円) |
次に入院した病院が、主病名で1日の入院料が決まる「DPC計算の病院」だった場合です。
「DPC計算の病院」の中でも、一般病院、専門病院、特定機能病院と3種類にわかれます。
専門病院は、悪性腫瘍(がん)や循環器などの専門的な治療をする病院のことで、特定機能病院は、大学病院など高度な治療をする病院のことです。
一般病院は、専門病院と特定機能病院以外なので、ほとんどのDPC計算の病院は「一般病院」になります。
また、DPC計算の病院は、最初の1日~14日と15日~21日で、HCUの入院料が入院期間によって2段階になっています。
DPC計算の一般病院、HCU入院料1を例に解説しますと、
HCU入院料1では、入院から最初の2週間(14日間)は、5,023点。10割負担で50,230円ですが、健康保険で3割負担にすることで、15,069円になります。
14日間、HCUに入院した場合は、ベッドの位置が変わっていなくても、15日目から、HCU入院料1の15日~21日以内の料金になります。
HCU入院料1の15日~21日以内は、5,281点。10割負担で52,810円ですが、健康保険で3割負担にすることで、15,843円になります。
病院の種類や入院期間で、HCU入院料が変わるので、患者さんにとってはちょっと難しく感じると思います。
まず、病院の種類は「DPCの一般病院」で、入院期間は「14日以内」で考えてみましょう。(専門病院や特定機能病院だった場合は、一般病院より安くなるので心配ないです。)あとは、HCU入院料が1か2か、どちらになるのか、ですね。
HCU入院料が決まる病院の種類は、病院スタッフに聞くのが一番わかりやすい。
このように、HCUの入院料は、病院によって大きく変わってきます。
- 出来高計算の病院
- DPC計算の一般病院
- DPC計算の専門病院
- DPC計算の特定機能病院
HCUの入院料が知りたい場合は、入院している病院、これから入院する病院が、どれになるのか?をご確認ください。
病棟の掲示板や病院のホームページに掲載されていることもありますが、わかりにくいことが多いです。また、載っていなかった。という結論になることも多々あります。
なので私のおすすめは、病院の受付や病棟のナースステーションなど、病院職員の方に聞くことが、患者さんにとって一番わかりやすく簡単に確認する方法になります。
HCU病床に入院する場合は、「限度額適用認定証」を申請しておくと安心です。
最後に、HCUに入院となり、ご本人、ご家族ともに、とても不安な思いをされていることと思います。HCUの入院料は、ハイケアユニット(高度治療室)というだけあって、やはり料金も高いです。
出来高計算の病院だと、HCU入院料1で1日20,000円。3日間で、もう60,000円です。
DPC計算の病院で一般病院だと、HCU入院料1で1日15,000円。3日間で、45,000円ですよね。
さらに緊急入院で救急料金、手術代と麻酔代、難しい処置などが積み重なっていくと、あっという間に100,000円にもなってしまいます。
なので、医療費の患者さん負担を軽くするために、「限度額適用認定証」の手続きをしておくことをおすすめします。
限度額適用認定証があれば、仮に3割負担で100万円になっても、約10万円くらいになるので、安心ですよ。
限度額適用認定証の手続き方法がわからなければ、受付や相談員、ソーシャルワーカーなど、病院スタッフにお尋ねください。
限度額適用認定証など「高額療養費」については、とても大切なこと。だけど患者さんにとっては、すごく難しいもの。なので、私もこのブログ内で解説しています。もしよければ、高額療養費関連ページもご覧ください。
→医療費が安くなる健康保険の制度「高額療養費」とは?病院代に限度額がある。はこちら
→医療費の限度額は計算すればわかる。区分ア、区分イ、区分ウの例。はこちら
→高額療養費まとめ。限度額適用認定証や回数、計算、合算など。はこちら
ICU(集中治療室)の料金はこちらの記事に書いてあります。
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医者から早くHCUを出て行くように毎日催促されています。脳梗塞で意識不明です。病院は見込みの無い患者に対しては、非情な扱いをすると思いました。国の規定だから、全部従わなければないのですか?
佐藤さん、はじめまして。
脳梗塞の方がHCUに入院されているんですね。医師に退院するように言われたら辛いですよね。
確認ですが、「国の規定」はHCUに入院できる期間という意味ですか?
また、すべてに従う必要はありません。
医師は患者さんの治療にアドバイスをする人です。
看護師は患者さんの療養生活のお手伝いをする人です。
病院は患者さんが元気になるように相談する場所、支える場所です。
医師の検査や治療には「インフォームド・コンセント」という仕組みがあります。
本来なら医師が検査や治療の説明をして、患者さんが同意してから先に進むものです。
医者は指示するのではなく、知識や経験があるので、「患者さんにとって最適な治療を提案する人」なのです。
患者さんや家族にとって一番良い方法を探すのが、医師の仕事なので「HCUから出る理由」があるのかもしれません。
なぜHCUから出るようにいうのか聞いてみてはいかがでしょうか?
もしよろしければ、メール相談も受け付けています。
個人情報など言いたくないことは伏せても大丈夫です。
外部に漏えいすることはありませんので、安心してください。
→葉月にメール相談はこちら
返信頂き有難う御座います。HCUの入院が国の規定で2週間で撤収だと、担当医がはっきり言ってました。3日に血尿が出ていて、看護師は尿路感染かもと話ししていたのに、直ぐに処置しないで、1週間後位に38.9度の高熱が出ていて、調べた結果尿路感染との事でした。自力呼吸だけではむりなので呼吸器も付けているのに、高熱が出たら体力消耗して 、死期を早めているのかと疑いました。所詮大学病院は手術の数とか、難しい手術の成功で名声を売る商売で医者はいるのかと思いました。先の短い年寄りは無用なんですね。
色々と聞いて頂き有難う御座います。病院から最期の処置をどうするかとの用紙を貰いました。大学病院の体質はこんな程度なのかと呆れました。完璧な人間はいませんが、精神面でもう少し成長して頂きたい医者だと思いました。
佐藤さん、こんばんは。葉月です。
HCUは2週間と言われたんですね。しかも血尿や発熱、呼吸など容態が落ち着いているわけでもないのに撤収なんて考えられないです。
以下、私の考え方やHCUについて調べた結果などをわまとめたものです。
まず、HCUの2週間は医療費の請求が14日間までだからです。
15日以上入院していても一般病棟の入院料になります。
次の患者さんをHCUに移動させて病院の収入を増やしたいので、入院している佐藤さんのご家族に「早くHCUから出ていけ!」と言うのです。
実際は、HCUは2週間、という国の規定がどこにもありません。なので、従う必要はありません。
また、私が医療事務として働いていた時は14日を越えてしまう患者さんもいました。3週間めからもHCUに入院できますが、料金を請求できないだけです。
「入院費を請求できるからHCUへ移動する。」、「医療費が減るから一般病棟へ移動する。」など、病院の都合で動かされていると感じられます。
患者さんや家族は病気を治して欲しいから高いお金がかかってでも入院したりHCUに行きます。なのに、容態に関係なく「出ていけ!撤収!」というのは、あまりに残酷です。
「患者さんの容態が心配だからHCUで経過観察をしたい。ICUに行くほどでもないけど一般病棟では不安だからHCUに移動する。」ならば、一般病棟に戻れるくらい回復してから動くことになります。
更に、出ていかないなら最期の処置の話をするなんて、もう治療をする気がありませんよね。
医師は病院の方針で患者さんの説明するように言われています。
病院は国(厚生労働省)が決めた請求上の決まりで動いています。
厚生労働省は国の予算しか考えていない。
という結論になります。
佐藤さんのお話を聞くと、本来は病気を治してもらいに行くのに、病院の収入のために入院しているという感覚になりますね。
長くなってしまいましたが、佐藤さんのお役に立てればいいなと思います。
お話を聞いて頂き、ご理解頂き、本当に有難う御座います。医者である前に、人間としての生き方、考え方をもう一度よく見つめ直して欲しいと思いました。
佐藤さん、こんばんは。
そうですね。医学部の授業や研修でも、知識だけじゃなく、患者さんや家族との接し方を学び考えてほしいですね。
いえいえ。お役に立てたなら幸いです。また何かご不明な点、疑問に思うことがありましたら、コメントやメールをください。
入院中のご家族、お大事にしてください。
こちらで質問させて頂いて良いのか分かりませんが失礼します。
私はDPC病院で4月から勤務しているのですがご質問です。
HCUの算定期間は21日間、ICUの算定期間は14日間ですが、合算した算定期間も21日間ですよね?
そこでお尋ねしたいのですが、HCUに14日間入室していた方の状態が急変しICUに転室した場合、15〜21日目のICU管理料は算定できるのでしょうか(>___<)
高崎さん、はじめまして。
こんばんは、葉月です。
HCUとICUは行き来しても特定入院料の算定ができますね。
ただ、ICU入院料は14日間が限度となっています。
「(別に厚生労働大臣が定める状態の患者(特定集中治療室管理料2及び4に係る届出を行った保険医療機関に入院した患者に限る。)にあっては60日)」という特例で60日間もあります。
高崎さんがおっしゃる15~21日目のICU管理料とは、別に厚生労働大臣が定める患者さんなんでしょうか?
ICU管理料は14日が上限日数なので、基本的に15日以降は算定できないです。
算定しているICU入院料や患者さんの状態などの確認をお願いします。
お返事ありがとうございます!!
説明不足で申し訳ありません(>___<)
お返事本当にありがとうございます!!!
高崎さん、こんばんは。
解決できたのなら良かったです(*^^*)
DPC病院で入院のお仕事を頑張る高崎さん、応援しています!