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ICU(集中治療室)の料金は1日いくら?病院の種類で決まります。

病院医療費解説ICU集中治療室入院費用料金1日いくらDPC1

ICU病棟(ICU病床)は、「集中治療室」のことです。

患者さんのちょっとした変化も見逃せない。注意深く経過観察しなくてはいけないときに入院する病棟です。なので、ICUの料金は、必然的に高くなります。

このページには、「ICU 1日 いくら」といった検索キーワードで、ICUの入院費用を調べる患者さんやご家族によく見られています。

ICUの入院費用は、3割負担で、約20,000円~約43,000円くらいです。ICU入院料の約20,000円の他に、DPC入院料が追加になることもあります。

なので、ICUは大体1日40,000円くらいを目安に考えるといいでしょう。

それでは、ICUの入院費を詳しく解説していきます。ちょっと専門的な言葉もでてきますが、患者さん向けにわかりやすくお話します。HCUよりも長くなりますので、ゆっくり読んでみてくださいね。

→【参考】HCU(ハイケアユニット)の料金についてはこちら

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ICUの入院料は「特定集中治療室管理料」といい、4種類あります。

病院医療費解説ICU集中治療室入院費用料金1日いくらDPC2

ICUの入院費は4つあります。「特定集中治療室管理料」という正式名称で、1と2と3と4です。この「1」「2」「3」「4」は病院によって異なります。

ICU病棟の設備や看護師の人数など、国が決めた基準をクリアできているかで、1から4のどれになるのかが決まります。

  • 特定集中治療室管理料1(→ICU入院料1)
  • 特定集中治療室管理料2(→ICU入院料2)
  • 特定集中治療室管理料3(→ICU入院料3)
  • 特定集中治療室管理料4(→ICU入院料4)

ICUの入院料はそのままの正式名称だと長くなりますので、わかりやすくするため、以下、このページでは、「ICU入院料」と書いています。後ろに1234の数字をつけてご説明します。

また、点数の右側カッコ内は、3割負担にしたおおよそのICU入院料です。患者さんが支払うのはいくらなのか、参考にしてください。

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出来高か、DPCか、入院費の計算方法で変わるICU入院料。

【出来高計算の病院】ICU入院料は2種類。1と2、3と4は同じ点数(金額)です。

出来高計算の病院ICU入院料1ICU入院料2ICU入院料3ICU入院料4
(7日以内)14,211点(42,633円)14,211点(42,633円)9,697点(29,091円)9,697点(29,091円)
(8日~14日以内)12,633点(37,899円)12,633点(37,899円)8,118点(24,354円)8,118点(24,354円)

ICUの入院費は、病院や患者さんの治療内容、ICU病床の入院日数によって決まります。

まず検査や治療をやった分だけ積み重なっていく「出来高計算の病院」に入院した場合です。

ICU入院料は4つあると言いましたが、点数(入院費用)としては2種類しかありません。ICU入院料1とICU入院料2、ICU入院料3とICU入院料4は、それぞれ同じ入院費用なのです。

4つすべてのICU入院料に共通していることは、ICUに入院している日数で入院費用が変わることです。

ICU入院料1と2では、ICUに入院して、1日目~7日目までは1日14,211点。10割負担で142,110円ですが、健康保険で3割負担にすると、42,633円になります。

ICUに入院して、8日目~14日目までは1日12,633点。10割負担で126,330円ですが、健康保険で3割負担にすると、37,899円になります。

同じように、

ICU入院料3と4では、ICUに入院して、1日目~7日目までは1日9,697点。10割負担で96,970円ですが、健康保険で3割負担にすると、29,091円になります。

ICUに入院して、8日目~14日目までは1日8,118点。10割負担で81,180円ですが、健康保険で3割負担にすると、24,354円になります。

ICUの入院料は、1から4までそれぞれ、1入院14日までとなっています。

(通常14日間までですが、ECMOや臓器移植、範囲が広いヤケドなど、患者さんの状態によっては、最長60日間までICU入院料を請求できる期間が伸びる場合があります。)

病院はなんとか頑張って、なるべく点数(入院費用)の高いICU入院料にすることが多いです。なので、ICU入院料1か2の病院が多いでしょう。

設備投資するお金がかかったり、看護師人員が足りないなど、やむを得ない場合はICU入院料3か4になる場合もあります。

 

【DPC計算の病院】一般病院、専門病院、特定機能病院、それぞれにICU入院料1から4まであります。

病院医療費解説ICU集中治療室入院費用料金1日いくらDPC3

次に入院した病院が、主病名で1日の入院料が決まる「DPC計算の病院」だった場合です。

「DPC計算の病院」の中でも、一般病院、専門病院、特定機能病院と3種類にわかれます。

専門病院は、悪性腫瘍(がん)や循環器などの専門的な治療をする病院のことで、特定機能病院は、大学病院など高度な治療をする病院のことです。

一般病院は、専門病院と特定機能病院以外なので、ほとんどのDPC計算の病院は「一般病院」になります。さらにそれぞれでICU入院料が4つあり、ICU入院料は約1週間ごとに変わります。

病院の種類、ICU入院料、入院期間を表にしてみたところ、大きくて見にくくなってしまいました。

なので、一般病院、専門病院、特定機能病院で、ICU入院料をまとめました。

DPC計算の病院も、出来高計算の病院と同じようにICU入院料としては4種類ありますが、点数(入院費用)は2つしかありません。ICU入院料1とICU入院料2、ICU入院料3とICU入院料4は、同じ入院費用です。

たくさん数字がでてきて、患者さんとしては、難しく感じて混乱すると思います。落ち着いて、ゆっくりご覧ください。

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DPC計算で「一般病院」のICU入院料一覧表はこちら。

DPCの一般病院ICU入院料1ICU入院料2ICU入院料3ICU入院料4
(7日以内)12,379点(37,137円)12,379点(37,137円)7,865点(23,595円)7,865点(23,595円)
(8日~14日以内)10,801点(32,403円)10,801点(32,403円)6,286点(18,858円)6,286点(18,858円)
(15日~30日以内)11,059点(33,177円)11,059点(33,177円)6,544点(19,632円)6,544点(19,632円)
(31日以上)11,251点(33,753円)11,251点(33,753円)6,736点(20,208円)6,736点(20,208円)

DPC計算の病院で、一般病院のICU病棟にご入院の患者さんは、こちらの表がICU入院料です。

ICU入院料1から4まで分かれていて、さらに入院期間によって、ICU入院料が変わります。

たとえば、ICU入院料1でご説明しますと、

ICUに入院した1日目から7日目までは、1日12,379点。10割負担で123,790円ですが、健康保険で3割負担にすると、37,137円です。

ICUに入院して8日目から14日目までは、1日10,801点。10割負担で108,010円ですが、健康保険で3割負担にすると、32,403円です。

というように、ICUの入院料を計算していきます。

 

DPC計算で「専門病院」のICU入院料一覧表はこちら。

DPCの専門病院ICU入院料1ICU入院料2ICU入院料3ICU入院料4
(7日以内)12,317点(36,951円)12,317点(36,951円)7,803点(23,409円)7,803点(23,409円)
(8日~14日以内)10,739点(32,217円)10,739点(32,217円)6,224点(18,672円)6,224点(18,672円)
(15日~30日以内)11,044点(33,132円)11,044点(33,132円)6,529点(19,587円)6,529点(19,587円)
(31日以上)11,251点(33,753円)11,251点(33,753円)6,736点(20,208円)6,736点(20,208円)

DPC計算の病院で、専門病院のICU病棟にご入院の患者さんは、こちらの表がICU入院料です。

一般病院と同じように、ICU入院料が1から4まで分かれていて、さらに入院期間によって、ICU入院料が変わります。

 

DPC計算で「特定機能病院」のICU入院料一覧表はこちら。

DPCの特定機能病院ICU入院料1ICU入院料2ICU入院料3ICU入院料4
(7日以内)12,117点(36,351円)12,117点(36,351円)7,603点(22,809円)7,603点(22,809円)
(8日~14日以内)10,539点(31,617円)10,539点(31,617円)6,024点(18,072円)6,024点(18,072円)
(15日~30日以内)11,044点(33,132円)11,044点(33,132円)6,529点(19,587円)6,529点(19,587円)
(31日以上)11,251点(33,753円)11,251点(33,753円)6,736点(20,208円)6,736点(20,208円)

DPC計算の病院で、特定機能病院のICU病棟にご入院の患者さんは、こちらの表がICU入院料です。

一般病院や専門病院と同じように、ICU入院料が1から4まで分かれていて、さらに入院期間によって、ICU入院料が変わります。

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ヤケドでICUに入院した場合、料金が+200点(+600円)高くなる場合があります。

病院医療費解説ICU集中治療室入院費用料金1日いくらDPC4

ICU入院料は、基本的に「特定集中治療室管理料」という名前のICU入院料になります。

ですが、火傷(ヤケド)でICUに入院した場合、病院によっては、「広範囲熱傷特定集中治療管理料」という名前になることがあります。

  • 広範囲熱傷特定集中治療管理料→ヤケドのICU入院料

ICU入院料と同じように、正式名称では長いので、このページでは「ヤケドのICU入院料」と書きます。

火傷のICU入院料は、通常のICU入院料2と4にあります。通常のICU入院料1と3には、ヤケドのICU入院料がないので、条件に当てはまったとしても、通常のICU入院料で計算されます。

ヤケドのICU入院料は、ICU病棟に入院してから8日目以降、通常のICU入院料に+200点(+600円)になります。ICU入院1日目から7日目は通常のICU入院料と同じです。

ヤケドのICU入院料は、第2度熱傷で、30%程度以上の重症広範囲熱傷患者さんが対象です。なので、火傷でICUに入院したからといって、全員がヤケドのICU入院料になるわけではないので、お気をつけください。

ヤケドの度合い(第2度など)やヤケドの範囲(30%程度以上など)、患者さんやご家族ではわかりにくいことと思います。また、ICU入院料としても、+200点(+600円)であまり変わりませんので、気にする必要はないかと思います。

もし、「ヤケドだから医療費料金やICU入院料が高くなる!」ということが気になるようでしたら、必ず【限度額適用認定証】の申請をしてください。限度額適用認定証を使えば、+200点になっても医療費は抑えらるので安心です。

 

ICU入院料を計算できる期間は、基本的に「最長14日間」となります。

病院医療費解説ICU集中治療室入院費用料金1日いくらDPC5

ICUの入院料は、計算できる期間が原則「最長14日間」と決まっています。

ただし、患者さんの状態や治療内容によって、「最長60日間」まで延長されることがあります。

  • 原則、14日間
  • 急性血液浄化(腹膜透析を除く)、25日間
  • 体外式心肺補助(ECMO)、25日間
  • 臓器移植、30日間
  • 熱傷(ヤケド)、60日間

となっています。

ICUでECMOを装着している。臓器移植で入院してICUに入った。など、患者さんご家族で明らかにわかる場合は1か月くらい。

ヤケドでICUに入院になった場合は、病院やヤケドの程度にもよりますが、2か月くらい。

ICU入院料がかかると思っていた方がいいでしょう。

その他、特に当てはまらなさそうであれば、ICU入院料は最長でも14日間までです。

患者さんの状態やICU入院料の計算期間が、よくわからなければ、事務や看護師など病院スタッフにお尋ねください。どれに当てはまるのか、事務が説明してくれますよ。

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ICU入院料と病院の種類の組み合わせは、病院スタッフに聞くのが一番わかりやすい。

病院医療費解説ICU集中治療室入院費用料金1日いくらDPC6

このようにICUの入院費用は、ICU入院料4つ×病院の種類4つで、16通りの可能性があるわけです。

ICU入院料だけでも、1から4まで、4つ。

病院の種類が、出来高計算の病院、DPC計算の一般病院、DPCの専門病院、DPCの特定機能病院で、4つ。

なので、ICUの1日の入院費用が知りたい患者さんは、ご入院している病院が、出来高やDPCなどどれになって、ICU入院料は1~4のどれになるのか?をご確認ください。

病院の受付事務や、病棟のナースステーションなど、病院職員の方に聞くことが、患者さん、ご家族が一番わかりやすく簡単に確認する方法です。

 

ICU病床に入院したら「限度額適用認定証」を申請しておくとお金の心配がなくなります。

病院医療費解説ICU集中治療室入院費用料金1日いくらDPC7

最後になりますが、ICUに入院して、患者さんだけじゃなく、ご家族も、大変不安な思いを抱えていると思います。ICUは集中治療室とも言って、実際、生死を彷徨う危険な状態の患者さんが多くご入院されています。

ICUは、そういった危険な状態の患者さんを注意深く観察して、無事に回復するようにケアする病棟です。なので、やはりICUの入院費用は高いです。

出来高計算の病院は、ICU入院料1で1日43,000円。ICUに2日入院しただけで、高額療養費の対象になることが考えられます。(高額療養費の区分ウは、80,100円を超えた金額が対象です。)

DPC計算の病院で一般病院も、またICU入院料1で1日38,000円。2日間でもう76,000円。DPC計算の病院は、ICU入院料の他にDPC入院料もかかってきますので、やはり高額療養費の対象になる可能性が高いです。

さらに、緊急入院や緊急手術、麻酔となれば、救急料金や時間外料金、休日や深夜料金と、医療費がもっと高額になります。

なので、1日でもICUに入院したら、1日でもICUに入院するかもしれないなら、「限度額適用認定証」を申請しておくことを強く推奨します。

限度額適用認定証があれば、3割負担で100万円になっても、10万円程度に抑えることができます。お金の心配をしないで、回復に向けて治療に専念できます。

限度額適用認定証の手続き方法がわからないなら、受付会計窓口や相談員、ソーシャルワーカーなど、病院スタッフにご相談ください。

 

限度額適用認定証など「高額療養費」は、とても大切なこと。だけど患者さんにとっては、すごく難しいもの。なので、私もこのブログ内で解説しています。もしよければ、高額療養費関連ページもご覧ください。

→医療費が安くなる健康保険の制度「高額療養費」とは?病院代に限度額がある。はこちら

→医療費の限度額は計算すればわかる。区分ア、区分イ、区分ウの例。はこちら

→高額療養費まとめ。限度額適用認定証や回数、計算、合算など。はこちら

 

HCU(集中治療室)の料金はこちらの記事に書いてあります。

→HCU(集中治療室)の料金についてはこちら

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