「コードブルーってどういう意味?」「緊急事態だからって医師がたくさん集まってきたけど担当医ひとりじゃだめなのかな?」という方へお教えします。
コードブルーは緊急患者さんが発生したことをお知らせする言葉です。院内にいる医師が全員集合する意味も説明します。
「コードブルー」とは人が急に倒れたり容態の急変など緊急事態発生のこと。
病院でたまに聞く「コードブルー」は、緊急患者さんがいることを意味します。
街で人が倒れてたり具合悪そうだったら救急車を呼ぶのと同じことです。病院には既に医師がいるので、搬送をするよりも現場に集めて診察した方が早いです。
「コードブルー!コードブルー!○棟○階○号室前!院内にいる医師は直ちに集まってください!」私の勤めてた病院が使っていた定型文です。「緊急事態発生がしたこと。医師が集まる場所。」を伝えるフレーズです。
2015年10月~12月のドラマ「コウノドリ」でもコードブルー宣言がされてました。妊婦の入院患者さんが突然意識を失った。お腹にはもうすぐ産まれる赤ちゃんがいるのに、原因不明の心肺停止。偶然きた担当医も経過に異常がなく緊急事態だったので、コードブルー出して他の医師から力を貸してもらってました。
「夜間だったので院内に残ってる医師も少なかったこともあり、ナースステーションに戻ってカルテの経過みてる時間もない」という意味です。
医師が全員集結してどうするの?診療科は関係なく集める意味は?
コードブルーが発令されると病院にいる医師は専門の診療科目は関係なく集まります。呼びかけるときも「○科の先生」ということは言いません。
「どうして医師が集まるのかな?」「担当医だけで良いと思う。」などとよく言われます。
- 倒れた、具合が悪い「原因不明」。
- 助手はたくさんいる方がいい。
- 研修医、新人医師の経験。
理由はたくさんありますが、一番は原因がわからないからです。
入院中患者さんの場合、どこか病気や怪我をしていて主治医や担当の先生がいます。だから、担当医だけを呼べばいいように思えますが、どうして倒れたのかわかりません。心臓なのか脳など頭なのか不明。骨折で入院してる患者さんの担当医がきても専門外です。
心臓や脳は特に1秒、2秒も無駄にできないので担当医だけでなく全科の医師を集めます。診察してみて「心筋梗塞だ!」など原因がわかれば他の医師は帰ります。「脳梗塞だ!」と判明したら心臓の医師は関係ありません。
- 通常は「倒れた→担当医を呼ぶ→診察→倒れた理由発覚→専門の先生を呼ぶ→2回目の診察→処置。」
- コードブルーは「倒れた→医師全員集まる→診察→倒れた理由発覚→処置。」
長い工程を省略することで患者さんを助けることが一番の目的です。3つもなくなれば時間のロスも短くなります。
「診察中の先生は患者さんを外来などに待たせていいんですか?」私が新人時代した質問です。
「診察中の患者さんは定期的に通院して今すぐ死ぬわけじゃない。でもコードブルーの患者さんは1分でも1秒でも惜しい。外来患者さんの診察してて緊急患者さんが亡くなればお互いに気分よくない。先生が駆け付けたことで命が助かった。行ったけど関係なかった。救急患者には時間がないから病院では緊急を優先するんだよ。」と先輩が教えてくれました。
入院患者さんのお見舞いや外来患者さんの付き添いで来てて倒れたら名前や年齢もわからないので一から診察になります。いままで罹ったことのある病気、現在飲んでる薬など、すべてが不明なので、もっと時間がかかります。
担当医もいないので「誰を呼ぶ?何科の先生?」と考える場合ではありません。近くに医師がいるか探す時間もない。くも膜下出血など脳疾患だと体を動かしただけでも悪化することがあります。なので、医師が全員集まって関係のある医師だけ残ります。
あと、心臓マッサージをしたり、気道確保したり、助手はたくさんいた方がいいです。専門外だとしても医学知識としては一通り勉強しているので、できることは手伝います。看護師もいますが救急カートや器具などの準備に追われている場合もあります。
コードブルーを使って医師を集めるのは総合病院や大学病院など大きな病院です。なので、学生や研修医、新人医師もいます。緊急現場に立ち会えることは救命救急センターなどにいない限りあまりありません。先輩医師の処置を見学するだけでも貴重な経験になります。
ドラマ「コード・ブルー」は病院の外で緊急患者さんが発生したことです。
「コードブルー」を病院で見聞きするとよく山下智久主演のドラマ「コード・ブルー」と同じにされます。
私は放送前から病院で勤務していたので名前だけ聞いて「緊急患者さんに先生が集まってどんなドラマなのかな?」と思ったことを今でも覚えてます。また、ドラマ終了後、後輩に当直を教えるとき「コードブルー」といったら山下智久が思い浮かんでました。
ドラマ「コード・ブルー」は緊急事態発生に変わりありません。しかし、病院外の出来事で巻き込まれた患者さんのことです。
救急なので、ドクター・ヘリで現場に向かって処置をして病院に搬送する、という内容で実際のコード・ブルーとは違います。
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今日実際にありました。ものすごい数の先生が集まっていました!
匿名さん、コメントありがとうございます。
ブログ管理人の葉月です。
コードブルーは実際に目の前で見ると驚きますよね。
先生がたくさん集まりますので、通れるように道を開けたり、場所を広くしてもらえると、患者さんの診察がしやすくなります。
また今度、コードブルーの場面に遭遇しましたら、ご協力頂けると助かります。
よろしくお願いいたします。
それこそ今コードブルーのアナウンスがありました
私自体医療関係者なのでコードブルーの意味は知っていましたが
入院してる同じ階の高齢の方で
ただならぬ騒ぎでオレまでドキドキして心配で処置が終わるまで眠れませんでした
マロさん、こんにちは。
コメントいただき、ありがとうございます。
医療従事者でコードブルーの意味を知っていても、いざ現場に出くわすとドキドキしますよね。
私も緊張感が続いたことがあります。
無事に処置が終わられたようで、良かったです。