入院費の計算方法のうち、検査やレントゲン、点滴、お薬代などが入院費に含まれる計算方法を「DPC方式」といいます。
DPCは、病名で1日の入院料が決まり、その入院料に検査やレントゲン、点滴、お薬代、処置などの治療費が含まれる計算方法です。
入院費に含まれるものと入院費に含まれないものも、まとめておきました。合わせてご確認いただけます。
この記事では入院費の計算方法「DPC方式」をご説明します。
DPCとは病名で決まる入院料に検査や点滴代が含まれる計算方法です。

入院費の計算方法「DPC」とは、病名によって決まる1日ごとの入院料に、検査やレントゲン、点滴、お薬代などの治療費が含まれるものです。
たとえば、足を骨折して、入院、手術をした場合、1日の入院料は6,900円。この6,900円に血液検査や心電図、レントゲン、CT、MRI、点滴、お薬代が含まれます。
DPCには入院料に含まれない治療もあります。足を骨折して入院、手術という場合は、手術や麻酔、リハビリなどが該当します。手術などの入院費に含まれない治療をした場合は、入院料に手術や麻酔、リハビリなどの費用を足していきます。
『入院料6,900円+手術54,000円+麻酔18,000円』というイメージです。検査やレントゲン、点滴、お薬は、入院料6,900円に含まれているので、追加しません。

手術の翌日から3日間は点滴を継続、1週間後に検査とレントゲンで経過観察、それと毎日傷口の消毒とガーゼ交換、リハビリをすることになりました。
この場合、『入院料6,900円+リハビリ600円』というイメージです。点滴と検査、レントゲン、傷口の消毒とガーゼ交換(処置)は入院料に含まれます。よって、入院料に足すのはリハビリだけです。
このように検査代や点滴代などは入院料に含めて、手術やリハビリは入院料に追加する計算方法を「DPC方式」といいます。
入院料に含まれること、入院料に含まれないことのまとめ
DPCに含まれるものとDPCに含まれないものは、上記の例でもざっくりとお伝えしましたが、こちらで改めてまとめておきます。
- 基本入院料
- 尿検査や血液検査、エコー、心電図などの検査
- レントゲン、CT、MRIなどの画像診断
- 飲み薬や塗り薬
- 点滴・注射
- ガーゼ交換や消毒、膀胱洗浄などの処置
↑こちらはDPCに含まれる治療内容です。
- 基本入院料に対する加算
- 手術・麻酔
- 輸血
- 放射線治療
- リハビリテーション
- 一部の処置(人工透析やカウンターショックなど1,000点以上のもの)
- 一部の検査(胃カメラ、大腸カメラ、心臓カテーテル検査など)
- 退院するときのお薬代
- 精神科治療
↑一方、こちらはDPCに含まれない治療内容です。
DPCに含まれない治療は、高度な技術を必要とする治療という印象があります。
処置や検査は、ほとんどDPCに含まれますが、一部DPCに含まれないものもあります。
DPCは検査や点滴代など一部の治療内容が入院料に含まれる計算方法です。
DPCについては、「こういうときはこうなる」、「これは対象外」というような細かいことは、たくさんあります。
ですがこの記事では、まず「DPCとは?」ということをご理解いただくため、細かいことは気にせず単純に「骨折で入院、手術」を例にご説明しました。
- 「採血を1日置き、レントゲンやCTを2~3日置きにしても、無料」
- 「日々の点滴やお薬も、どれだけやっても料金は変わらない。」
- 「ただ、手術やリハビリなどは、その分追加になる。」
細かいこと抜きにして、このようにざっくり考えてみると、意外とそこまで難しくはないのではないでしょうか。(無料という言葉は少々語弊がありますが、患者さんの感覚としては無料のようなものです。)
手術やリハビリ、放射線治療、人口透析など、これらは入院料に追加される形になります。ですが、大抵の場合、高額療養費(限度額適用認定証など)を申請されると、ある一定額までのお支払いでよくなりますので、大丈夫です。あまりご心配なさらないでくださいね。
高額療養費については、こちらの記事で詳しくご説明しています。なるべくわかりやすくご説明していますが、難しく感じると思いますので、落ち着いてゆっくりお読みください。
→医療費が安くなる健康保険の制度「高額療養費」とは?はこちら
入院費の計算方法には「DPC方式」のほかに、治療内容に対する金額を積み重ねていく「出来高方式」という計算方法もあります。「出来高方式」については、こちらの記事でご説明しています。合わせてご覧ください。
この記事は、3割負担を想定して金額を掲載しています。
入院料や手術費用などは考えられる点数から計算しています。検査、レントゲン、点滴、お薬代は、患者さんや病院によって異なります。参考例としてご確認ください。
スポンサーリンク