- 「高額療養費の計算式が知りたい。」
- 「限度額適用認定証や還付手続きなど、高額療養費制度を使ったらいくらになるの?」
という方にお教えします。
高額療養費は所得で決まる区分の計算式を表にしました。
総医療費や80,100円など数字の意味についてもご説明します。
高額療養費の区分と限度額の計算式。区分エと区分オは計算がない。
区分 | 高額療養費の限度額を求める計算式 |
ア | 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% |
イ | 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% |
ウ | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% |
エ | 57,600円(計算なし) |
オ | 35,400円(計算なし) |
高額療養費は所得によって5つの区分があります。健康保険で支払ってくれる金額がそれぞれ変わります。
区分ア~ウは1か月でかかった医療費によって自己負担する限度額が変動します。区分エとオに関しては限度額が固定されていますので計算の必要がありません。
では、式の意味や区分ア~ウの計算を実際にしていきますね。
「80,100円」や「267,000円」など高額療養費の計算式に意味があるの?
上の表に「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」など、計算式がありましたが数字の関係をご説明します。
- 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
- 「3割分+(総医療費-10割分)×1%」
区分ウを例に数字を言葉へ置き換えてみました。
高額療養費の区分がウの方は10割で267,000円が基準です。自己負担額として267,000円の3割である80,100円以上が対象になりますよ、ということです。80,100円を超えた分については1%を足した金額が最終的な自己負担限度額になります。
267,000円×0.3(30%)=80,100円になります。区分アやイも同じで3割分が最低限の限度額になってます。
高額療養費(区分ア、イ、ウ)の計算事例。総医療費とはどの金額?
区分ア~ウは高額療養費制度を利用した場合の自己負担額が変わるので計算します。
一般・課税世帯の「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」を例にします。
まず疑問に思われることが「総医療費」です。総医療費とは通常3割負担で支払ってる医療費が10割だったらいくらか?という金額です。10割の料金は計算はいらずに領収証に書かれています。
領収証の合計部分に大きめの数字が載ってます。(※画像は外来費用1回分で参考まで。)四捨五入などで誤差はありぴったりにはなりませんが、実際に支払った金額を3で割って0をつけ足せば大体同じ合計金額になりますね。
例えば10割負担で100万円(3割負担で30万円)になったとして当てはめてみます。
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
↓
80,100円+(1,000,000-267,000円)×1%
総医療費が1,000,000になりました。続けて計算をしていきます。まずはカッコの中から始めます。
80,100円+(1,000,000-267,000円)×1%
↓
80,100円+(733,000円)×1%
1,000,000-267,000円が733,000円になりました。次は1%はいくらなのか計算します。
80,100円+(733,000円)×1%
↓
80,100円+7,330円
(733,000円)×1%が7,330円になりました。最後に3割分の80,100円と1%を足すだけです。
80,100円+7,330円
↓
87,430円
10割負担で1,000,000円(3割負担で300,000円)だった場合「87,430円」が1か月の自己負担限度額になります。
また端数がでた場合は小数点以下を四捨五入します。
もし、数字を覚えれない。電卓を使い慣れないというときは紙に書いてひとつずつ計算していくとわかりやすいです。私も医療事務を始めたばかりのときは紙に書いて計算してました。
同月の再入院いたら、1回目と2回目の入院費を合わせて高額療養費の計算をします。計算式に数字を当てはめて、解説していますので、参考にご覧ください。
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保険証や健康保険などについての記事は他にもあります。参考にご覧ください。
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で、同月に再入院した場合、二度目の計算はどうなりますか?
なおさん、コメントありがとうございます♪
同月に再入院した場合は、1回目の入院費と2回目の入院費を合わせて、「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」の計算になります。
1日~月末までで1か月単位の計算になります。
1か月の医療費を計算した上で80,100円になったら、80,101円からは1%しかかからなくなります。
例えば、
1回目の入院で60,000円だったら高額療養費の対象にはなりません。しかし、2回目に入院した時に20,100円以上になれば、2回目の入院費が20,100円と1%の計算になります。
例えば、
1回目の入院で80,100円と1%で、既に高額療養費の限度額を超えていた場合、2回目の入院費用は1回目と合わせて「1%分」しかかからなくなります。
あまり長くならないように短くまとめましたが、具体的に数字を当てはめて計算例を記載した方がよろしいでしょうか?
[…] ※区分ア~ウに記載されている数字や、「総医療費」って何?って 私の疑問に答えてくれたのが下記サイト。すごく分かりやすい説明です! →<医療費のことわかりやすく教えるよ。 元医療事務女子が医療費のことをわかりやすく解説します!> […]
高額療養費の患者負担額の記載に「また端数がでた場合は小数点以下を四捨五入します。」とありますが、高額療養費計算の場合、患者負担額は端数までの請求が可能です。
参考サイト:http://www.yuzawaseikei.com/i-QA2.htm
Q.窓口で徴収する負担額は1円単位まで徴収するのか。
A.1円の単位(10円未満)は四捨五入する。
ただし、今回現物給付化されることとなった一定以上所得者の入院のケースにおいて、高額医療費の対象となるケース(自己負担限度額72,300円+(医療費-361,500円)×1%)については、1円単位まで徴収する。
(1%負担に1円未満の端数が生じる時は四捨五入するので1円単位が発生する。)
Q.上記Q&Aや9/27付けで厚生労働省等から出された事務連絡(別紙2参照)によれば、窓口負担が1円単位で発生するとのことである。
しかし、従来、保険医療機関等の窓口における事務処理の負担軽減を図るために、健保法第75条によって、一部負担金は10円未満の端数がある場合は四捨五入した額をもって実際に支払う額とすることになっているはずであるので、間違いではないか。また、1円単位まで徴収するとなると、窓口も患者さんも混乱するのではないか。
A.基本的にはご指摘のとおり、10円未満の端数がある場合には、1円の単位を四捨五入することとなっている。
医療機関として留意すべきは、一定以上所得である患者さんが入院された場合の窓口負担である。
その患者さんに係る自己負担額が限度額を超えない場合は、通常の窓口負担と同様に負担割合に応じて負担額を算出し、その場合、1円の単位は四捨五入の上徴収することとなる。
入院にかかる自己負担額が限度額を超える場合には、医療機関は限度額までの一部負担金を患者さんから徴収し、限度額を超える分については現物給付することとなる。
患者さんの自己負担限度額は、1円単位まで算出されることとなるので、医療機関が徴収する額も1円単位までということになる。
上記のQ&Aの通り、患者負担額は高額療養費計算の場合1円単位までは正しい請求方法だと考えられます。
ネロさん、コメントありがとうございます。
記事の「また端数がでた場合は小数点以下を四捨五入します。」は、小数点以下の端数を四捨五入するということです。
ネロさんのご指摘されているところは、1円単位(10円未満)を四捨五入するか、徴収するか、ということではないでしょうか。
ご確認お願い致します。