「70歳以上の低所得者なのに減額認定証を手続きしてなかった。」、「過去の医療費を高額療養費で安くしたい。」という患者さんご家族も多いです。
高齢者になっても高額療養費制度はあり、月をまたいだら病院で減額認定証を使うことはできません。
今回は、住民税非課税世帯で高齢者の患者さんがする、高額療養費の還付手続きについてご説明します。
過去の医療費に減額認定証は使えないので還付手続きになります。
70歳以上の高齢者にも高額療養費制度はあります。基本的に手続きは必要なく、自動的にお安くなった医療費でお支払いです。ただ、住民税非課税世帯の低所得者は、ご本人かご家族が自分手続きが必要になります。
「減額認定証の申請」か、「還付手続きで戻してもらう」、2通りの方法があります。69歳以下の高額療養費のように、事前に限度額適用認定証をもらうか、一度3割負担で後から返金してもらうか、と同じ考え方です。
減額認定証の手続きをしても、過去の分は適用できません。遡って減額させる場合は、月をまたいでしまっているので、還付手続きで返金してもらいます。
70歳以上になった低所得者の高額療養費は24,600円か15,000円が限度額。
現役並み所得者や一般課税世帯は、負担割合で医療費の上限金額を判断できます。しかし、住民税非課税世帯の患者さんも、一般所得者と同じ2割負担なので、病院としては低所得者さんなのかがわからないのです。
「限度額適用・標準負担額減額認定証」、というハガキサイズの証書で、区分の確認をして医療費を安くできます。住民税非課税世帯であることや、患者さんの低所得者区分が不明なので、通常だと44,400円で計算されます。
減額認定証の申請をして証書を病院受付に提出したら、当月分から限度額までの医療費になります。先月分以前の過去に関しては、既に病院から健康保険宛てに請求してしまっているので、患者さんの医療費だけを修正できないのです。
区分Ⅱであれば19,800円、区分Ⅰであれば29,400円。一般課税世帯の44,400円から、低所得者区分の限度額を引いた差額が返金されます。
還付手続きに必要なものは「保険証と印鑑、病院の領収証」。
住民税非課税世帯で70歳以上だったら、高齢者の高額療養費申請をした方がいいです。
減額認定証は、前年所得で区分が決まり、継続の患者さんなどは、8月1日から翌年7月31日まで最長1年間有効です。
低所得者区分を途中で知ったら、手続きした月から翌年7月31日まで使えます。10月からの減額認定証が区分Ⅱなら、8月9月分の2か月分で39,600円。区分Ⅰで1月に申請したら8月~12月まで5か月分が147,000円にもなります。
高額療養費の還付手続きには、「健康保険証」と、「患者さんの印鑑」、「遡って返金してもらう月の医療費領収証」の3つが必要です。
国民健康保険や後期高齢者の患者さんは、市役所か町役場。社会保険の患者さんは協会けんぽや職場など勤務先。保険証を発行しているところで申請できます。
1か月分でも約2万円~3万円で戻ってくる金額は大きいです。一度、高齢患者さんの所得状態を調べてみてはいかがでしょうか?
保険証や健康保険などについての記事は他にもあります。参考にご覧ください。
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