家族の医療費を合わせて申請。高額療養費の世帯合算する条件4つ。

全国健康保険協会協会けんぽ保険証例本人(被保険者)

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前回は、「患者さんひとりの医療費では、高額療養費対象外でも、家族の医療費をまとめて、高額療養費の申請をできますよ。」ということを書きました。

→【前回記事】医療費を家族で合算する方法。高額療養費の「世帯合算」とは?はこちら

 

この高額療養費の世帯合算には、手続きをするための条件が4つあります。

同じ健康保険に加入していることや、1か月21,000円以上など、決まりが細かくて、専門的なので患者さんにとっては難しいですよね。

そこで、「実際、高額療養費の世帯合算をするとき、家族の医療費を合わせるとき、どんな条件があるのだろうか?」という患者さんのために、

家族の医療費を合わせて、高額療養費の申請するためのチェックポイントを、わかりやすく詳しくご説明していきます。

3人家族を例にしたり、イメージしやすいように例えを交えながら書いていますので、ゆっくりご覧ください。

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家族の医療費をまとめる高額療養費の条件4つ。

家族の医療費をまとめて、高額療養費の申請をする場合、4つの条件があります。

  • 高額療養費の申請をする患者さんが、同じ健康保険に加入していること。
  • 同じ月の医療費であること。(1日~月末まで、1か月ごと。)
  • 患者さん1人の医療費が、病院1か所で、21,000円以上になっていること。
  • 申請する家族の医療費が合計で、高額療養費の限度額以上になっていること。

です。この4つの条件を満たしていれば、家族の医療費を合算して、高額療養費を使えます。

診療月が同じ月であること、患者さんひとり21,000円以上は、個人で医療費をまとめて高額療養費を申請する時と似たようなイメージになります。こちらのページで書いていることです。

→病院2か所の医療費を安くしたい。高額療養費の対象になる条件2つ。はこちら

 

では、合算したい患者さんが同じ健康保険に加入している見分け方から、詳しくご説明していきます。

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高額療養費を合算したい家族が同じ健康保険に加入していること。

全国健康保険協会協会けんぽ保険証例本人(被保険者)

出典元:全国健康保険協会、健康保険証(被保険者証)の交付

全国健康保険協会協会けんぽ保険証例家族(被扶養者)

出典元:全国健康保険協会、健康保険証(被保険者証)の交付

家族で医療費をまとめて、高額療養費の手続きをするために、まずは「患者さんの加入している健康保険が同じである」必要があります。

高額療養費は、健康保険ごとの申請なので、同じ健康保険に加入していれば、複数の患者さんの医療費を合算できます。

 

同じ健康保険に加入しているか?見分けるポイントは、「保険証の記号と番号が一致しているか?どうか?」です。

上の保険証見本にあるように、「記号、21700023」、「番号、21」と、保険証の記号と番号が全く同じになっています。

これは、協会太郎さんが全国健康保険協会に加入していて、協会花子さんは太郎さんの扶養に入っているから、記号と番号が同じなのです。

また、同じ健康保険に加入していて、記号や番号が一致していれば、家族(被扶養者)の保険証で、「被保険者氏名」に、本人(被保険者)のお名前が記載されています。

たとえば、上の保険証見本で、協会花子さんの保険証に、「被保険者氏名、協会 太郎」とあります。

保険証の記号や番号は健康保険の中の加入先がわかるだけです。しかし、「被保険者氏名」欄は、「誰の扶養に入っているのか?」がはっきりわかるポイントです。

同じ健康保険といっても、保険証の記号と番号、被保険者氏名などが違う場合は、医療費を合わせて高額療養費を使えないので、ご注意ください。

同じ家に住んでいる家族でも、同じ健康保険に加入していなければ、高額療養費の世帯合算はできないです。

逆をいえば、離れた場所で暮らす家族でも、同じ健康保険に加入していれば、高額療養費の合算をできるということです。

 

高額療養費の申請は1か月分ずつです。医療費の診療月が同じ月であること。

高額療養費の手続きは、毎月1日から月末(28日(29日)、30日、31日)までの1か月ごと。3月分、4月分、5月分というように、1か月分ずつの申請になります。なので、

  • お父さんの医療費、3月分
  • お母さんの医療費、4月分

というように、3月分と4月分など、診療月が違う場合は、家族の医療費を合算して高額療養費の申請をできないです。

 

  • お父さんの医療費、4月分
  • お母さんの医療費、4月分

というように、「家族で4月分の医療費を合わせたら、限度額を超えた。」という場合は、まとめて高額療養費の申請をできます。

「高額療養費の申請は1か月分ずつ」ということは、限度額適用認定証や還付申請、個人での手続きなどでも共通ルールです。

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患者さん1人の医療費が、1か所、21,000円以上になっていること。

高額療養費の世帯合算できる対象として、患者さん1人の医療費が、1か所、21,000円以上になっていること。

この21,000円や限度額以上については、個人で違う病院の医療費を合算して、高額療養費の申請をするときと似ています。

高額療養費の合算は、まず病院1件あたり、21,000円以上になっている必要があります。

「家族の医療費をまとめて、高額療養費の申請をする。」ということは、患者さんひとりの医療費が、病院1か所で21,000円になっているか?が合算できるかのポイントです。

A総合病院の医療費(15,000円)と、B皮膚科の医療費(3,000円)の医療費合計は、18,000円。この場合は、A総合病院の分も、B皮膚科の分も、21,000円未満なので、家族で合算する高額療養費の対象外です。

A総合病院の医療費(25,000円)と、B皮膚科の医療費(3,000円)の医療費合計は、28,000円。この場合は、A総合病院の分だけ、21,000円以上になっているので、家族で合算する高額療養費の対象です。B皮膚科は対象外です。

A総合病院の医療費(25,000円)と、B皮膚科の医療費(23,000円)の医療費合計は、48,000円。この場合は、A総合病院もの分も、B皮膚科の分も、21,000円以上になっているので、どちらも家族で合算する高額療養費の対象です。

このように、「患者さん1人で、病院1か所の医療費が、21,000円以上になっていること」が家族で合算する高額療養費の条件です。21,000円未満だった病院の医療費は、残念ですが、家族で合算する高額療養費の対象外です。

 

合計で高額療養費の限度額以上になっていること。

そして次に、この「患者さん1人で、病院1か所の医療費が、21,000円以上になっていること」に加えて、「患者さんごとにある高額療養費の限度額を超えていること」が条件としてあります。

では、高額療養費が区分ウの患者さんご家族を例にご説明します。区分ウの限度額は、80,100円以上です。

  • お父さんのA病院、20,000円。
  • お母さんのB病院、30,000円。
  • 子供さんのC病院、40,000円。

たとえば、こちらの3人家族の場合、お父さんの医療費がまず21,000円未満なので、高額療養費の世帯合算から対象外です。お母さんの医療費と子供さんの医療費は、21,000円以上になっているので、対象です。

すると、お母さんの医療費と子供さんの医療費を合計して、80,100円以上になっているか?をみてみると、合計70,000円になります。

この場合は、お母さんの医療費と子供さんの医療費が21,000円以上だとしても、限度額の80,100円以上になっていないので、高額療養費の対象外になります。

 

  • お父さんのA病院、25,000円。
  • お母さんのB病院、35,000円。
  • 子供さんのC病院、40,000円。

同じ3人家族で、こちらの医療費だったら、どうでしょう。

患者さん1人で、病院1か所21,000円以上、家族3人の医療費を合計すると、高額療養費の限度額(80,100円)以上になっています。

なので、高額療養費の申請をすると、3人で100,000円→3人で80,763円になります。

 

  • 高額療養費を申請したい患者さんが、同じ健康保険に加入していること。
  • 高額療養費を申請する医療費は、同じ診療月の医療費であること。
  • 患者さんひとりの医療費は、病院1か所あたり21,000円以上になっていること。
  • 高額療養費を申請する家族の医療費を合計して、高額療養費の限度額以上になっていること。

こちらの条件をクリアしていれば、患者さんひとりの医療費は、高額療養費の対象外だとしても、家族の医療費を合わせれば、高額療養費の対象になります。

 

家族の医療費を合算する時は、高額療養費の限度額適用認定証は使えない。

家族で医療費をまとめて申請する「高額療養費の世帯合算」は、『還付申請(償還払い)』での手続きになります。

限度額適用認定証は、病院1か所ごとで使える、個人の高額療養費認定証になります。なので今回は、家族の医療費を合わせるときは、使用できないのです。

高額療養費の還付手続きは、一度病院窓口で、高額分を含めた3割負担の医療費をお支払いします。後日、高額療養費の申請をすると、健康保険から高額分が払い戻しされる方法です。

保険証の記号や番号を確認し、患者さん1人の医療費21,000円以上や、ご家族の医療費合計が高額療養費の限度額を超えているか?確認して・・・、手間がかかり、難しく感じて、面倒に思いますよね。

ただ、この手続きによって、医療費の負担が減るので、「あれ、この家族の医療費を合算して高額療養費の申請って、うち該当になるのではないか?」と思ったら、確認・申請してみてはいかがでしょうか。

返金されたお金は、今後の病院代に回せるし、おいしい食事や楽しい旅行にも使えます。いますぐ必要なくても、浮いたお金を将来のために貯金しておくこともできますよ。

 

高額療養費の申請書類を書くのは、慣れないことと思います。よくわからない単語でお困りのことと思います。なので、高額療養費の申請書の書き方については、別の記事で解説させて頂きました。使う申請書も合わせて、こちらでご案内してますので、ご利用ください。

→協会けんぽの高額療養費還付手続き申請書の書き方。世帯合算の場合。はこちら

 

加入されている健康保険が全国健康保険協会なら、ネットで申請書をダウンロードできます。あとは、記入して送るだけで高額分が戻ってきます。

→協会けんぽの高額療養費の申請書ダウンロードはこちら

 

また、

  • 「限度額適用認定証を申請した方がいいのか?」、
  • 「限度額適用認定証を使った方がいいのか?」、
  • 「還付手続きの方がいいのか?どちらの方が得なのか?」、

という件については、こちらの記事でご説明しています。

入院と外来の話ですが、合算という点では、考え方は同じです。最終的な結果としては、どちらも同じなので、ご安心ください。

→入院と外来、医療費を合算するなら還付申請。高額療養費の申請を1回。はこちら

 

高額療養費の回数や計算方法については別の記事でご説明しています。こちらのページにまとめてありますので、参考になれば幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

専門学校で3年間、医療事務の勉強。医療事務や診療情報管理士の資格を取得しました。就職先も、大きな総合病院から小さなクリニックまで、4か所で医療事務の仕事をしてきました。健康保険や高額療養費、入院費、外来費、DPCの計算、医療費は難しい。なので現在は、専門学校で勉強してきたことと、元医療事務の経験を元に、困ってる患者さんへブログで医療費の情報を発信しています。