2025年12月24日、2026年度(令和8年度)の医療費値上げが決定しました。
なんと、病院代本体が、プラス3.09%!
お薬代等はマイナス0.87%ですが、差し引きしてもプラス2.22%!しかも来年と再来年で、2年続けて値上げされる予定とのこと。このプラス3.09%は2年の平均です。
2年の合計にすると、プラス6.18%!
入院中の食事代も、またプラス40円高くなります。(低所得者は20円~30円)
今までは病院代が値上げされても1%未満でしたし、お薬代の値下がりを考えたら、合計で医療費が安くなってきました。それがいきなり3%も高くなったら、患者さんとしても医療費の値上げを実感させられる春となりそうです。
今日は2026年4月以降、病院の医療費がどのくらい高くなるのか?お届けしていきます。
いろんな数字やパーセントがでてきて、少々混乱されていると思います。できるだけわかりやすく、詳しく解説しますので、落ち着いてゆっくり読んでみてください。
令和8年度の医療費、+3.09%。賃上げや物価高等で、かなり大幅に値上がりします。
日本の病院代は、2年に一度、厚生労働省が見直しをしています。
「初診料はもう少し高くてもいいんじゃないか?いや今が高いから、もう少し低くするべきだ!」のようなイメージです。
今回発表された令和8年度(2026年4月1日~)医療費の見直しは、以下のとおりです。
- 医療費本体、プラス3.09%
- お薬代、マイナス0.86%
- 材料代、マイナス0.01%
医療費本体とは、初診料や再診料、検査代、レントゲン代、手術、麻酔費用などのこと。
お薬代は、飲み薬や塗り薬、張り薬、目薬、湿布などのこと。
材料代は、カテーテルや人工血管など、お薬ではないモノのこと。
です。
医療費本体(プラス3.09%)- お薬代(マイナス0.86%)- 材料代(マイナス0.01%)=2.22% となります。
ネットニュース等では、「診療報酬プラス3.09%」や「診療報酬改定率プラス2.22%」と報道されています。どちらも正しいです。少々紛らわしいのですが、落ち着いてください。
結論、「医療費が値上げされる。」ということです。
一番注目すべきは、医療費全体のプラス3.09%です。
このプラス3.09%には、賃上げ分や物価高分、経営悪化対応分など、いろんな要素が含まれています。中でも、物価高分と経営悪化対応分は、病院の規模や種類ごとにどのくらい値上げするか?が細かく発表されています。
物価高分プラス0.76%の値上げはこちら。
| 病院(総合病院や大学病院など) | プラス0.49% |
| 医科、診療所(クリニック) | プラス0.10% |
| 歯科、診療所(クリニック) | プラス0.02% |
| 調剤薬局 | プラス0.01% |
経営悪化対応分0.44%の値上げはこちら。
| 病院(総合病院や大学病院など) | プラス0.40% |
| 医科、診療所(クリニック) | プラス0.02% |
| 歯科、診療所(クリニック) | プラス0.01% |
| 調剤薬局 | プラス0.01% |
物価高分、経営悪化対応分、どちらも病院のプラスが大きく見えます。
患者さんにとって、0.01%や0.02%でも10円、100円の値上げになる可能性があります。しかし、診療所やクリニックにとっては、ほぼ変わらないでしょう。
このままでは患者の自己負担は増えるのに、小さな病院は楽にならないのではないか。と感じられます。
現段階ではプラスになるパーセンテージだけなので、実際には患者負担や病院経営がどうなるのかはわかりません。ですが、せっかく医療費が値上げされるのなら、診療所やクリニックにもプラスになる値上げになってほしい。と願います。

さて、この病院代のプラス3.09%には私は非常に驚いています。
それは、こんな高水準の医療費値上げを見たことがないからです。
上記のグラフは2010年から病院代本体とお薬等薬価の医療費改定率をグラフにしたものです。この青線の2026年の上がり具合、いつもとは様子が違いますよね。
病院代としては、毎年少しずつ値上げされていたことは確かです。しかしそれも微々たるもので、2010年と2012年に1%を超えた程度。そのほかは1%未満の値上げでした。(グラフの青線)
お薬代等は毎年値下げされているのですね。(グラフの赤線)
お薬が値下げされたとしても、お薬を使わない受診の日もありますよね。また、抗がん剤は値下げされても、元々がかなり高額なので、医療費が安くなったようには思えません。
そう考えると、患者さんにとって病院代は、やはり本体プラス3.09%がかなり大ダメージとなります。

こちらは病院代本体とお薬等薬価を差し引きした後、合計の医療費見直し率になります。
2024年も一応医療費が上がっていました。それでもお薬代と差し引くとマイナスとなり、総合的にみて値下げの状態でした。
ですが2026年は違います。お薬代の値下がり分を差し引いても、2%超え。
「これは来年春以降、かなり大幅な医療費値上げになるのではないか?」と考えています。※細かい金額の変化はまだわかりませんので、これはあくまで私の予想です。
病院代は、2026年度、2027年度、1年ごとに約+3%ずつ、合計+6.18%高くなります。
医療費の値上げ、もう少し突っ込んだところに重要なニュースがありました。
通常、医療費の見直しは2年に一度で、見直しされたら2年間はその金額でした。ですが、今年は2026年度と2027年度、1回おいて、2回に分けて値上げされることになったのです。
上記の病院代本体プラス3.09%。実はこれ、2026年度と2027年度の平均パーセンテージだったということです。各年度の値上げ率はこちらです。
- 2026年度、プラス2.41%
- 2027年度、プラス3.77%
合計プラス6.18%!
もう衝撃です。私の感覚としては、1年ごとに3%くらいずつ高くなるようなものですね。。。これなら、プラス3.09%じゃなくて、病院代本体プラス6.18%と公表してほしかったです。
プラス3.09%とプラス6.18%では、見た目の印象が全然違いますよね。だって2倍ですから。
具体的に何がいくらになるのか?初診料や再診料など、誰もが関係する料金、毎回かかってくる医療費が値上がりするのか。もしくは手術費用など1年に1回程度のことか、検査やレントゲンなど定期的に受けていることなのか。
詳しいことはまだ決まっていません。ですが、まずは2026年度は病院代がプラス2.41%。と厚生労働省から発表されていますので、「病院代全体的に値上がりする。」と考えておいたほうがよいでしょう。
入院中の食事代がまた値上がり。1食+40円で、1食550円へ。
最後に、入院中の食事代もまた値上がりすることになりました。
病院代本体プラス3.09%の中に含まれている、食費・高熱水費プラス0.09%の部分です。
- 課税世帯の患者さんは、1食プラス40円(1食510円→1食550円)
- 非課税世帯の患者さんは、1食プラス20円~30円(1食240円→1食270円)
となります。
私も正直、「また?」という感じです。食事代はつい最近上がったばかりのはず・・・と調べてみたら、2025年4月1日でした。今年です。このペースだと2027年度も、入院中の食事代が上がるかもしれませんね。
入院中の食事って味気なくておいしくないことが多く、量も少ないですよね。同じ550円ならコンビニのおにぎりやパン、お弁当類を食べたくなります。
全国一律で1食550円。どこの病院でも、どんなメニューでも、栄養バランスのとれた食事。それはわかっているのですが、、、高いですよね。「最近ではランチでも1000円くらいだし、入院中の食事1食550円は安い方だ!」と思うしかないでしょうか。
医療費値上げは妥当。自費で請求されるなら、保険適用した方が患者負担が軽いので。
病院の医療費、2026年4月からかなり大幅に値上がりすることが予想されます。
病院と診療所など、病院の規模にもよりますし、一概にはいえませんが、医療費が高くなる覚悟をしておいてください。
正直なところ、私は1年ごとに3%くらいずつの医療費値上げには、賛成というか納得しています。
世の中の物価が上がっていく中で、健康保険を使える病院はこの厚生労働省の決めた医療費でしか計算できません。
最低賃金が上がったら、最低賃金の病院スタッフさんの給料も上げなければいけないでしょう。それでも、健康保険や患者さんの料金はそのままですから、それは病院経営が厳しくなりますよね。
実体験として、先日、日帰り入院をしたら、施設使用料として1日500円を自費請求されました。この施設使用料は「この病院を使うことの料金」とのこと。入院基本料他1,158点が請求されていますので、病院を使うことの料金は通常こちらに含まれます。
また、別の病院で、こちらも日帰り入院をしたとき、クリーニング代800円を自費請求されました。「ベッドカバーやシーツ、枕カバーなどのクリーニング代」とのことです。こちらも通常は入院基本料に含まれるものです。
もちろん、自費なので、これらについては高額療養費も対象外です。それなら、保険適用されるもの(入院基本料など)を値上げしてもらった方が助かる。ということです。
500円は保険点数にして50点。その3割負担なら、150円で済みます。また、高額療養費の限度額になれば、この150円すらも患者自己負担しなくてもよくなりますので。
医療費を支払いたくないのではありません。自費で追加のお支払いをするくらいなら、医療費が上がってもいいので、保険適用させて3割負担でお支払いしたい。ということです。
さらに入院中の食事代も1食40円とはいえ、また値上がりしますし、病気や怪我をしないようにお気を付けください。
また、もうひとつ頭の痛いことは、高額療養費の見直しも進められていることです。
区分が4区分→12区分に細かくなり、限度額が最大38%も高くなる。しかも年間上限額という新たな制度もできると聞きました。
ただでさえ複雑でややこしいのに、マイナ保険証ひとつで完結するわけでもないし、もっとややこしくなる予感しかないです。
高額療養費については、現在調査中です。厚生労働省の情報も確認して、近日まとめていきますので、もうしばらくお待ちください。
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