70歳になると、健康保険では高齢者になります。
すると、健康保険は保険証(資格確認書)の他に「高齢受給者証」という証書が増えたり、負担割合は2割負担になり、健康保険や窓口での負担割合が変わります。
75歳になると、加入する健康保険が「後期高齢者医療」に丸ごと変わり、負担割合も1割負担になったり、2割負担のままの患者さんもいます。
そしてこの高齢者の健康保険に切り替わる日が、70歳は誕生月の翌月から、75歳は誕生日当日、で違うため、ややこしいですよね。
また、高額療養費も、区分が6段階になって、合わせて限度額も変更になります。外来だけの限度額が追加になり、一般課税世帯や住民税非課税世帯の患者さんは、医療費の負担を軽くできます。
高齢者の健康保険は、何歳で、いつから、何が、どう変わるのか?気になりますよね。
このページでは、70歳以上は、69歳までの健康保険とどう違うのか、保険証(資格確認書)や負担割合、高額療養費、高齢者の健康保険をまとめました。
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健康保険では70歳以上の患者さん、全員が「高齢者」になります。

日本の健康保険は、70歳になったら、「高齢者」として医療費の助成が始まります。生活保護世帯の方以外は全員対象です。
高齢者の健康保険には、2回、切り替わるタイミングがあります。
1回目は、70歳。社会保険や国民健康保険に加入したまま、高齢者の健康保険に切り替わります。高齢者の健康保険として、所得(収入)によって、窓口での負担割合が2割負担か3割負担になります。
2回目は、75歳。健康保険が後期高齢者医療に切り替わります。後期高齢者医療になると、所得(収入)によって、窓口での負担割合に1割負担の区分も増えます。1割負担、2割負担、3割負担と、患者さんによってさまざまです。
10年も医療事務の仕事をしていても、高齢者の健康保険に切り替わるタイミングがわからなくなることがあります。患者さんやご家族はもっと意味がわからないことと思います。
なので、70歳、75歳で高齢者の健康保険が変更になるタイミングや保険証、窓口での負担割合を詳しくご説明していきます。
70歳になったら保険証に「高齢受給者証」が追加。窓口での負担割合は2割か3割。
69歳→70歳、高齢者の健康保険は、誕生月の翌月から始まります。

高齢者の健康保険に切り替わるタイミング、1回目は70歳です。
切り替わる時期は、誕生日の翌月1日から変更になります。2日~末日までは69歳の方と同じ一般です。
たとえば、2月10日が誕生日の患者さん。1月1日~1月31日はまだ69歳なので、社会保険や国民健康保険で、3割負担。ここまでは大丈夫ですよね。
2月は10日が誕生日なので、3月1日から高齢者の健康保険になります。
なので、2月は1月と同じで、69歳の社会保険や国民健康保険で3割負担のままです。まだ変更なし。
そして、3月1日から、高齢者の健康保険になります。一般課税世帯と住民税非課税世帯の場合、この翌月1日から窓口での負担割合が2割負担です。
※2月1日など、1日(ついたち)が誕生日の患者さんは、翌月ではなく、当月、2月1日から高齢者の健康保険になります。
70歳で高齢者の健康保険になるときは、誕生月(誕生日)の翌月1日から、です。誕生日や誕生月、年度などでは切り替わりませんので、ご注意ください。
69歳→70歳、高齢者の健康保険、保険証は資格確認書と「高齢受給者証」で2枚です。

70歳になって、高齢者の健康保険になるときの保険証は、キャッシュカードやクレジットカードサイズの「資格確認書」のほかに、ハガキサイズの「高齢受給者証」という証書が新しく発行されます。
資格確認書は、69歳以下までと同じように、3割負担の保険証。
高齢受給者証は、一般課税世帯と住民税非課税世帯は「2割」、現役並み所得者は「3割」と記載があります。この2割負担や3割負担は、患者さんの所得(収入)によって、決まります。
この高齢受給者証で、病院は窓口での負担割合を計算します。資格確認書だけでは、2割負担の患者さんか、3割負担の患者さんか、判断できないので、資格確認書と高齢受給者証は2枚でひとつの保険証、とお考えください。
また、この高齢受給者証は、ご加入の健康保険から発行されるものです。
ご自身で社会保険に加入されている患者さん、ご家族の社会保険の扶養に入られている患者さんは、社会保険。
退職されたり、自営業者で、国民健康保険に加入されている患者さんは、国民健康保険。
保険証として資格確認書をお使いの患者さんで、70歳の誕生日までに、「高齢受給者証」がお手元に届かない場合は、ご加入の健康保険にご確認ください。
ご加入の健康保険によっては、資格確認書に負担割合が記載してある場合があります。「高齢受給者証が届かない。資格確認書で高齢受給者証の役割も果たせているのか、わからない。」場合にも、ご加入の健康保険にお問い合わせください。
マイナ保険証をお使いの患者さんは、高齢受給者証も、マイナ保険証の中で追加変更になっています。マイナ保険証をそのままお使いください。
69歳→70歳、高齢者の健康保険、負担割合は年収によって、2割負担か3割負担です。
| 年収 | 69歳 | 70歳→74歳 | |
| 住民税非課税世帯 一般課税世帯 | ~約383万円 | 3割 | 2割 |
| 現役並み所得者 | 約383万円~ | 3割 | 3割 |
70歳~74歳の窓口での負担割合は、2割負担か3割負担になります。
- 一般課税世帯と住民税非課税世帯は2割負担
- 現役並み所得者は3割負担
です。
一般課税世帯と現役並み所得者は、年収約383万円が境界線ですね。
70歳になって、高齢者の健康保険になるときは、誕生月の翌月から始まりますので、この窓口での負担割合も、誕生月の翌月からになります。
患者さんの年収や負担割合を知りたいときは、ご加入の健康保険にご確認ください。
75歳になったら健康保険が「後期高齢者医療」へ。窓口での負担割合は1割、2割、3割。
74歳→75歳、後期高齢者医療の健康保険は、誕生日当日から始まります。

高齢者の健康保険に切り替わるタイミング、2回目は75歳です。
切り替わる時期は、誕生日から変更になります。
たとえば、2月10日が誕生日の患者さん。
1月1日~1月31日はまだ74歳なので、そのまま変更なしです。社会保険や国民健康保険のままですね。
- 2月1日~2月9日までは、社会保険や国民健康保険。
- 2月10日~28日までは、後期高齢者医療。
2月は10日が誕生日なので、2月10日から後期高齢者医療になります。↑こうです。
3月1日からは、後期高齢者医療のまま、健康保険が変わることはありません。
75歳で高齢者の健康保険になるときは、誕生日(当日)から、です。15日や20日など、1か月の途中でも、誕生日当日から後期高齢者医療になります。誕生月の翌月や年度などでは切り替わりませんので、ご注意ください。
74歳→75歳、後期高齢者医療の健康保険、保険証は後期高齢者医療の資格確認書1枚です。

75歳になると、後期高齢者医療へ健康保険ごと変更になるので、保険証も変わります。ハガキサイズの「資格確認書」が新しく発行されます。
※キャッシュカードやクレジットカードサイズの「資格確認書」の場合もあります。
70歳(誕生月の翌月)から74歳までは、資格確認書と高齢受給者証で、保険証は2枚。
75歳からは75歳の誕生日当日から、後期高齢者医療の資格確認書1枚。
です。
74歳まで資格確認書と高齢受給者証と保険証としてお使いの患者さんで、75歳の誕生日の前月までに、「後期高齢者医療の資格確認書」がお手元に届かない場合は、お住まいの市町村窓口(市役所や役場など)にご確認ください。
マイナ保険証をお使いの患者さんは、資格確認書と高齢受給者証から後期高齢者医療の変更も、マイナ保険証の中で変更になっています。マイナ保険証をそのままお使いください。
74歳→75歳、後期高齢者医療の健康保険、負担割合は年収によって、1割負担、2割負担、3割負担です。
| 年収 | 70歳→74歳 | 75歳 | |
| 住民税非課税世帯 一般課税世帯 | ~約155万円 約155万円~約200万円 | 2割 | 1割 |
| 一般課税世帯 | 約200万円~約383万円 | 2割 | 2割 |
| 現役並み所得者 | 約383万円~ | 3割 | 3割 |
74歳以上の窓口での負担割合は、1割負担、2割負担、3割負担と、年収によってさまざまです。
住民税非課税世帯は1割負担になります。
そして一般課税世帯の中でも、年収約200万円で1割負担と2割負担に分かれます。年収約200万円までが1割負担、年収約200万円以上は2割負担です。
住民税非課税世帯と一般課税世帯の年収約200万円までの患者さんは、69歳まで3割負担、70歳~74歳まで2割負担、75歳からは1割負担、と少しずつ負担が軽くなっていくイメージですね。
現役並み所得者は3割負担のまま、変わりありません。
75歳になって、後期高齢者医療の健康保険になるときは、誕生日当日から始まります。この窓口での負担割合も、誕生日からになります。
患者さんの年収や負担割合を知りたいときは、ご加入の健康保険にご確認ください。
高齢者の健康保険になったら、高額療養費の区分や限度額も変わります。
| 外来のみ | 外来+入院 1回目~3回目 | 外来+入院 4回目~12回目 | |
| 現役並み所得者・区分Ⅲ | ー | 252,600円+1% | 約140,100円 |
| 現役並み所得者・区分Ⅱ | ー | 167,400円+1% | 約93,000円 |
| 現役並み所得者・区分Ⅰ | ー | 80,100円+1% | 約44,400円 |
| 一般課税世帯 | 約18,000円 | 約57,600円 | 約44,400円 |
| 住民税非課税世帯・区分Ⅱ | 約8,000円 | 約24,600円 | 約24,600円 |
| 住民税非課税世帯・区分Ⅰ | 約8,000円 | 約15,000円 | 約15,000円 |
70歳になったら、高額療養費も高齢者仕様に変更になります。
高齢者の高額療養費は、69歳以下の高額療養費でいう区分ア、区分イ、区分ウが、現役並み所得者の区分Ⅲ、区分Ⅱ、区分Ⅰ、区分エが一般課税世帯になります。
区分オは住民税非課税世帯に変わりありませんが、区分Ⅱと区分Ⅰで、2つの区分に分かれます。
「外来医療費だけの限度額」もできます。「70歳にもなると、体のあちこちが痛くなったり辛くなってきますよね。いろんな病院に通われることと思いますので、外来費の限度額を作りました。」というものです。
69歳→70歳になったときは、70歳の誕生月の翌月から、です。
74歳→75歳になったときは、誕生月だけ74歳までの健康保険と75歳からの後期高齢者医療で半額ずつの限度額になります。翌月からは後期高齢者医療で高額療養費の限度額が計算されます。
高齢者(70歳以上)の高額療養費、75歳になったときの高額療養費については、こちらの詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
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上記の件 5月10日の誕生日の患者(入院時74歳)が4月に入院(費用10万)、退院が5月末(費用10万)の場合、高額療養を適用しようとした場合どのようになりますか?
お教えいただけたら幸いです。患者は国保。
やさん、はじめまして。
葉月です。
コメントありがとうございます。
5月10日の誕生日なら、5月1日~9日までは74歳までの健康保険、5月10日~31日までは後期での適用になります。
また、高齢者で1か月の負担金額が変わらない場合、半額になります。
5月1日~9日までは74歳までの健康保険で、22,200円。
5月10日~31日までは後期で、22,200円。
です。
請求書を確認してみてください。