12月17日、令和2年度の診療報酬改定率が厚生労働省から発表になりました。
診察や検査、処置など、病院での医療行為についてはプラス0.55%(本体)。手術や麻酔、検査、処置の時に使う薬や材料代は、マイナス1.01%(薬価・材料)。本体と薬剤を合わせると、全体でマイナス0.46%、医療費が下がります。
患者さんにとっての治療費で考えると、初診料や再診料が高くなっても、薬代などが安くなっているので、結果的には「医療費が安くなる」ということです。
しかし、風邪薬や皮膚保湿剤など、市販で買えるような軽い症状に対する薬は、健康保険対象外にする方針という情報もあります。ということは、「患者さんの負担は増えるのでは?」と、私は考えています。
この記事では、2020年4月1日からの医療費がどれくらい上がるのか、どれくらい下がるのか。患者さん向けに診療報酬の改定率をまとめています。
2018年の医療費改定情報。診察代など値上がり、薬剤代など値下がり。
今月17日、2020年4月1日からの診療報酬改定率が、厚生労働省から正式発表されました。
【診療報酬本体(+0.55%)】
- 医科+0.47%
- 歯科+0.59%
- 調剤+0.16%
【薬価、材料価格】
- 薬価-0.99%
- 材料-0.02%
となりました。
診療報酬の改定率はわかりやすく書くと、「医療費のうち、何がどのくらい上がるのか?」「医療費のうち、何がどのくらい下がるのか?」、大体の目安です。
診療報酬本体は、初診料や再診料など診察をはじめ、検査やレントゲン、処置など、治療行為全般の料金です。薬価や材料は、手術や麻酔、検査や処置に使うお薬、材料の料金です。
手術をするときの麻酔は、薬を使って眠ったり痛みを感じなくしています。一般的には、麻酔をかけたことを「麻酔代」と、ひとまとめにされています。しかしこの麻酔には、麻酔の薬代の他に、全身麻酔代など麻酔費用もかかっています。
この麻酔費用などが、診療報酬本体のことです。
この診療報酬の改定率を読み解くと、「本体(全身麻酔代)が高くなっても、薬価(麻酔の薬代)は安くなってる。だから患者さんの負担は減る。」という解釈になります。
入院中の食事代がまた100円高くなる。1食460円へ。高額療養費は使えません。
しかし、風邪薬や花粉症、漢方薬、湿布、軟膏など、一部の薬は健康保険対象外にする方針という情報もあります。(※まだ決定されていないです。)
薬代を保険適用できず、10割自己負担になれば、たとえ薬の原価が下がろうと、患者さんとしての薬代は上がることになる。
そう考えると、診察や検査、処置などの料金が上がり、薬代も上がり、「医療費が安くなるどころか、むしろ患者さんの負担は増えるのではないか?」という結論になるのは私だけでしょうか。
→病院受診しても処方薬が健康保険対象外へ。風邪薬や花粉症、軟膏など。はこちら
2020年度の診療報酬はまだ決まっていない。
診療報酬の改定率は、「医療費を、どのくらい引き上げるか。どのくらい引き下げるか。」。2年に一度、見直すための目安となります。
なので、「何がいくらになるのか?」、詳しいことはまだ決まってないです。
いまはっきりとお伝えできることは、「診察代や検査代、処置代が全体的に高くなる。」「薬代や材料代などは全体的に安くなる。」ということ。すごく曖昧な表現になりますが、初診料がいくらなどはわかっていません。
診療報酬や薬の健康保険適用など、また何か新しい情報がわかり次第、当ブログ、当記事を更新します。
診療報酬の「改定率」については、こちらの記事に詳しく書いてあります。
→診療報酬の改定率とは?医療費の上下がわかるだけで関係ない。
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