「高齢者の医療費が3割負担になるって本当ですか?」
最近のニュースを見て、こんな不安を抱いている患者さんやご家族の方も多いのではないでしょうか。
- 「親が後期高齢者だけど、来年から3割払うことになるの?」
- 「70歳をすぎたら2割って聞いてたのに、また変わるの?」
- 「結局、いつから・いくらになるのか分からなくて不安……」
ニュースでは「3割負担へ」という言葉だけが先に広まっていて、心配になってしまいますよね。
でも、まず安心していただきたいことがあります。2026年6月の今の時点では、高齢者の窓口負担が3割に上がることは「まだ決まっていません」。 国の会議で「これから議論しよう」という段階です。
- 今の高齢者の負担割合。(これは決まっていること)
- なぜ「3割に」という話が出ているのか。
- 今わかっていることと、まだ決まっていないこと。
この記事では、いまとこれからの高齢者の負担割合を、できるだけやさしく整理します。不確かなことを煽るのではなく、「今わかっている事実」をお伝えしますね。
2026年度、医療費が値上がりします。
まず今の70歳以上の負担割合を確認しましょう。

「3割になる」の話に入る前に、今の高齢者(70歳以上)の窓口負担がどうなっているかを整理しておきます。ここは決まっていることなので、安心して読んでくださいね。
| 年齢 | 窓口負担の割合 |
| 〜69歳 | 3割 |
| 70〜74歳 | 2割(※現役並みの所得がある方は3割) |
| 75歳以上(後期高齢者) | 1割(※一定以上の所得がある方は2割、現役並みの所得がある方は3割) |
ポイントは2つあります。
- 年齢が上がるほど、窓口で払う割合は下がるしくみになっています。(69歳まで3割 → 70代前半2割 → 75歳以上1割)
- ただし、所得が高い方は、年齢に関わらず2割や3割を負担しています。「高齢者だから全員1割」ではありません。
💡 ご自身の負担割合は、お持ちの保険証(またはマイナ保険証で確認できる資格情報、後期高齢者の方は「後期高齢者医療被保険者証」)に記載されています。窓口で迷ったときは、受付で聞いてみてください。
高齢者(70歳以上)の窓口での負担割合は、こちらの記事にまとめてあります。
なぜ「3割負担に」という話が出ているのか。
では、なぜ今「高齢者も3割に」という議論が出ているのでしょうか。理由はおおきく2つです。
① 現役世代の負担が重くなっているから。
医療費の多くは、現役で働く世代が納める保険料で支えられています。少子高齢化が進むなかで、「支える人」が減り「支えられる人」が増えているため、現役世代の負担がだんだん重くなっています。
② 「年齢ではなく、負担できる力に応じて」という考え方。
最近の議論のキーワードは 「年齢によらない、応能負担(おうのうふたん)」 です。
これは「高齢か若いかで一律に決めるのではなく、収入や資産など“負担できる力”に応じて公平に支え合おう。」という考え方です。たとえば、収入の多い高齢者には現役世代と同じくらい負担してもらおう、という方向です。
今わかっていること、まだ決まっていないこと。

さて、ここからが本題の「決まったこと」と「まだ案の段階のこと(決まっていないこと)」をきちんと分けてお伝えします。
◯ 今わかっていること(議論されている方向性)
- 国のお金事情を話し合う会議が、2026年4月に「高齢者の窓口負担を原則3割にする工程表を、2026年度中に作るべき」と提言しました。
- 政権を担う自民党と日本維新の会も、「年齢によらない応能負担」を実現する方針で一致し、2026年度中(2027年3月まで)に具体的な制度設計をまとめる予定です。
- 株の配当などの「金融所得」も、窓口負担や保険料の判定に反映しようという議論も進んでいます。
難しい話はわからないけど、政治の中では「2027年3月までに、高齢者の負担割合を3割負担にする詳細を考えてみよう!」ということが決まったようです。
✕ まだ決まっていないこと
- いつから始まるのか(施行時期)
- 何歳から、何割になるのか(70〜74歳から? 75歳以上も?)
- どういう所得の人が対象になるのか
- そもそも本当に実施されるのか(これから国会で法律を改正する必要があります。)
つまり、今は 「これから話し合って、来年3月までに設計図を作ろう!」という段階です。設計図ができても、そのあと国会で法律を変えて、さらに準備期間を置いてから実施されるので、実際に窓口負担が変わるとしても、まだ先の話になります。
⚠️ ネットやSNSで「○年から3割確定」といった情報を見かけることがありますが、2026年6月時点ではどれも確定した事実ではありません。そもそもまだ決まっていませんからね。
新しい保険証や通知が届いていないのに、負担割合が突然変わることはありません。全部決まって、全部やることが終わったら、厚生労働省から正式発表がありますので、ご安心ください。
もし変わるとしたら、どんな影響があるのでしょうか。

「決まっていない」が前提ですが、ご本人やご家族として心構えをしておきたい方のために、考えられる影響にも少し触れておきます。
- 仮に1割から3割になると、窓口で払う金額は単純計算で3倍になります(例:今1,000円の窓口負担 → 3,000円)。
- ただし、医療費が高額になったときには 「高額療養費制度」 という、ひと月の負担に上限を設けるしくみがあります。
- 負担割合が上がっても、この上限までしか払わなくてよいので、100万円、200万円と、いくらでも増えるわけではありません。
- 高額療養費の上限額も2026年8月から見直されますので、あわせて知っておくと安心です。
高齢者の高額療養費については、こちらの記事でくわしく解説しています。
→高額療養費が2026年8月から引き上げ!限度額はいくら?はこちら
よくある質問(FAQ)
- 私(親)は来年から急に3割払うことになりますか?
- 2026年6月の時点では決まっていません。これから議論して制度設計をする段階なので、急に変わることはありません。実際に変わるとしても、法律の改正や準備期間を経てからになります。
- 75歳以上も3割になるのですか?
- まだ決まっていません。議論のなかでは「70〜74歳をまず3割に」「75歳以上も経過措置(急に変えず段階的に)を考えながら」という案が出ていますが、確定ではありません。
- 所得が少なくても3割になりますか?
- 議論の方向は「負担できる力に応じて」なので、収入の少ない方への配慮は引き続き検討されると考えられます。ただし具体的な線引きはまだ決まっていません。
- いつになったらはっきりするのですか?
- 政府は2026年度中(2027年3月まで)に制度設計をまとめる予定です。2026年6月下旬に出る政府の方針(骨太の方針)にも、何か書き込まれる可能性があります。新しい動きがあれば、この記事でも追記していきます。
- 負担割合はどこで確認できますか?
- お持ちの保険証や、後期高齢者の方は「後期高齢者医療被保険者証」に記載されています。マイナ保険証をお使いの方は資格情報で確認できます。分からないときは、加入している市区町村や保険者、受診先の窓口で聞いていただいて大丈夫です。
まとめ:高齢者の医療費が3割負担になることは、まだ決まっていない。
- 2026年6月の今、高齢者の医療費が3割になることは まだ決まっていません。
- 「年齢ではなく、負担できる力に応じて」という方向で、国が2026年度中に制度設計をまとめようとしている段階です。
- いつから・何歳から・何割になるかは、これからの議論と国会での法改正しだいです。
- 不確かな情報に振り回されず、新しい保険証や正式なお知らせが届いたら、そこで確認すれば大丈夫です。
- この記事は、新しい動きがあわかり次第、更新していきます。
高齢者は年金生活していることからも、医療費、窓口での負担割合のことは、不安になりやすいテーマですよね。
「高齢者の医療費が3割負担になること」すらも、まだ決まっていない状態です。大丈夫ですから、ご安心ください。
私も元医療事務として、確かな情報がわかり次第、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。
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