高額療養費は、限度額適用認定証と還付手続きと、どちらにした方がいいのか。という問いについて、基本的に「限度額適用認定証」を推奨です。
ですが、クレジットカードで医療費を支払いたいという患者さんには、「還付申請」をおすすめしています。
それは高額になった分だけ、クレジットカードのポイントを多くもらえるからです。
還付手続きは、一度3割負担で医療費をお支払いすることになりますが、2~3か月後に必ず高額分が払い戻しされます。
なので、医療費の自己負担額は、限度額適用認定証と同じ限度額までなのに、クレジットカードのポイントをたくさんもらえるのです。
目次
クレジットカード払いなら還付手続きにするとポイントを多くもらえます。
限度額適用認定証を手続きするか、還付申請をするか、どちらにした方がいいのか。という高額療養費の質問をよくいただきます。
「損得」という点では、限度額適用認定証も、還付手続きも、両方とも同じ結果になります。手続きのやり方が違うだけで、患者さんの自己負担額は変わりません。
「高額療養費を申請する手間」や「簡単さ(難易度)」、という点では、限度額適用認定証の方がおすすめしています。書類の記入欄が少なく細かい数字を書かなくてもいい。一度の手続きで最長1年間使えるので、楽です。
ですが、「クレジットカードで医療費を支払いたい」。という患者さんには、『還付手続きをおすすめ』しています。
それは、還付申請をした方がクレジットカードのポイントを多くもらえるからです。下記で詳しくご説明します。
3割負担で医療費を支払ったときに、もらえるクレジットカードのポイントまとめ。
高額分を含めて3割負担の医療費を、クレジットカード払いにすると、「カードのポイントを多くもらえるのに、医療費は高額療養費の限度額まで」ということになります。
医療費が3割負担で100,000円だったときのクレジットカードのポイント。
3割負担で、100,000円だったとき | ||||
病院窓口での支払い金額 | 患者さんの自己負担額 | 1,000円毎に1ポイント | 100円毎に1ポイント | |
限度額適用認定証 | 80,763円 | 80,763円 | 80ポイント | 807ポイント |
還付手続き | 100,000円 | 80,763円 | 100ポイント | 1,000ポイント |
たとえば、上の表は、3割負担で10万円だったときの医療費やポイントをまとめました。
限度額適用認定証を使ってクレジットカードで支払うと、既に高額療養費が適用になっているので、80,763円になります。なので、ポイントは、JCBなど1,000円で1ポイントの場合、80ポイント。楽天カードなど100円で1ポイントの場合、807ポイント。
高額療養費を還付申請にしてクレジットカード払いにすると、病院でお支払いする医療費は3割負担なので、100,000円です。ですが、クレジットカードのポイントは、1,000円で1ポイントだと100ポイント。100円で1ポイントだと1,000ポイントもらえます。
20ポイントや193ポイントなど、多く支払った19,237円分多く、ポイントをもらうことができます。
しかも後から高額療養費の還付手続きをすれば、19,237円は健康保険から返してもらえるので、最終的な医療費は80,763円になります。
限度額適用認定証も、還付申請も、患者さんの自己負担額は同じ。80,763円です。なのに、クレジットカードのポイントは、還付申請の方が多くもらえます。
医療費が3割負担で200,000円だったときのクレジットカードのポイント。
3割負担で、200,000円だったとき | ||||
病院窓口での支払い金額 | 患者さんの自己負担額 | 1,000円毎に1ポイント | 100円毎に1ポイント | |
限度額適用認定証 | 84,096円 | 84,096円 | 84ポイント | 840ポイント |
還付手続き | 200,000円 | 84,096円 | 200ポイント | 2,000ポイント |
3割負担で10万円だと、20ポイントや193ポイントと少なく感じたのではないでしょうか。
なので、3割負担で20万円だったときの医療費とポイントも表にまとめてみました。
限度額適用認定証を使ってクレジットカード払いをしたときは、84ポイントや840ポイントです。
ですが、高額療養費を還付申請にすることで、200ポイントや2,000ポイントになります。還付手続きにすると、116ポイントや1,160ポイント多くもらえる!
一時的に200,000円という大金を支払うことになりますが、高額分の115,904円は後から必ず返ってきます。還付申請をすれば、84,096円になるので大丈夫です。
患者さんが負担する医療費は、限度額適用認定証を使ったときと同じ84,096円です。更に、クレジットカード払いでついたポイントの2,000円分を差し引けば、82,096円。
200,000円→82,096円になったと考えたら、すごくお得ではないでしょうか。
クレジットカードで医療費を支払う患者さんは、ポイントを多くもらえるので、還付申請の方がおすすめ。
医療費をクレジットカードでお支払いする患者さんは、カードのポイントを多くもらえるので、高額療養費は還付手続きの方がおすすめです。
病院の窓口では高額分を含めて3割負担でのお会計になるので、クレジットカードのポイントが高額な分だけ多くもらう。そして高額療養費は、後日手続きをして健康保険から払い戻しをしてもらう。
すると、「クレジットカードのポイントをたくさんもらいつつ、医療費は高額になっても限度額までの負担で済む」ということになります。
3割負担で支払える資金の確認。念のため限度額適用認定証をしておきましょう。
「医療費を3割負担で支払う。」ということは、「医療費がいくらになるのか、わからない。」ということです。
このページでは、10万円や20万円という金額でご説明しました。しかし、実際の医療費は、治療内容によって、もっと高額になる可能性があります。
なのでまずは、3割負担の医療費がいくらまでだったら、クレジットカードでお支払いできるのか、確認しておく。
また、3割負担でお支払いが難しそうなときのために、念のため、限度額適用認定証の手続きをしておく。
「クレジットカードのポイントを多くもらうために、あえて高額療養費の還付申請にする。」という患者さんは、この2点を準備しておきましょう。
「20万円までなら大丈夫。将来のための貯金だから今すぐ使わないお金がある。でも20万円以上になったらきつい。」などという場合は、限度額適用認定証を使うと、医療費を84,096円にできます。
限度額適用認定証は、一度受付で提出して、
「一応、限度額適用認定証は手続きしたけど基本は使わない。3割負担で支払って、後で還付申請する予定。金額によっては、限度額適用認定証を使う。」
ということを伝えておきましょう。
「限度額適用認定証は持ってるんだ。区分はこれなんだ。もし100万円とか、すごく高額になっても、限度額適用認定証で低くしてお支払いしてくれる。」ということがわかれば、病院の事務も安心してくれますよ。
あなたのお役に立てれば幸いです。