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入院と外来、医療費を合算するなら還付申請。高額療養費の申請を1回。

「高額療養費の限度額適用認定証か還付申請にするか迷っている。どちらの方が良いんだろう?」という患者さんへ。

今回は「入院医療費と外来医療費がどちらも高額になっているので、合算して両方に高額療養費を適用させたい場合」について、解説していきます。

どちらが損か?どちらが得か?という点では、限度額適用認定証も還付手続きも変わりません。患者さんの自己負担限度額は同じです。

申請書を書く回数、手続きの手間という点では、申請・手続きの回数が変わります。限度額適用認定証は2回申請、還付手続きは1回の申請になります。

もし資金の余裕があるのなら、1回の手続きで高額療養費を適用できるので、還付申請をおすすめします。経済的、金銭的に余裕がなければ、限度額適用認定証を使っても大丈夫です。

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限度額適用認定証も、還付手続きも、高額療養費制度はどちらでも結果は一緒です。

ではまず高額療養費は、患者さんの自己負担額を、入院費用と外来費用を合算して、限度額までの金額にすることができます。

たとえば、入院費用と外来費用が、3割負担で、それぞれ100,000円(10万円)ずつ、かかったとします。すると、入院と外来を合わせたら、1か月の合計で200,000円(20万円)になります。

この1か月20万円の医療費に、高額療養費を使うと、患者さんが負担する限度額は、84,096円になります。

  • 入院費用、100,000円。
  • 外来費用、100,000円。

合計、200,000円。→高額療養費適用で、84,096円。(区分ウの場合)

計算式としては、区分ウの式「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」に当てはめます。3割負担で200,000円ということは、10割負担(総医療費)で666,666円。

80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

80,100円+(666,666円-267,000円)×1%

80,100円+(399,666円)×1%

80,100円+3,996円

84,096円

という計算で、入院と外来、合計で200,000円だった医療費が、1か月合計で84,096円になります。

限度額適用認定証を使っても、還付申請をしても、最終的な患者さんの自己負担額は、この84,096円で同じです。つまり、どちらも損得はありません。

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限度額適用認定証で入院と外来の合算をできない。高額療養費の手続きを2回することになります。

この200,000円→84,096円にするためには、高額療養費制度を使います。現在の高額療養費は、病院や市役所、全国健康保険協会などで、「限度額適用認定証」が推奨されています。

もちろん私も限度額適用認定証をおすすめしています。ですが、今回のような、「入院費用と外来費用を合わせて、高額療養費を使いたい」という患者さんには、私は高額療養費の還付申請をご提案します。

限度額適用認定証は、入院と外来で、高額療養費を使えます。しかし、入院と外来、それぞれで計算されて、合算して高額療養費の限度額までにできないのです。入院と外来の医療費を合わせて高額療養費を適用させる場合は、もう一度還付申請をする必要があります。

上記の入院と外来合わせて、1か月200,000円だった場合で、限度額適用認定証を使った場合を書き出してみます。

  • 入院費用、100,000円。
  • 外来費用、100,000円。

限度額適用認定証を使うと、入院と外来、一度それぞれの限度額で計算されます。

  • 入院費用、80,763円。
  • 外来費用、80,763円。

入院と外来で、それぞれ80,763円をお支払いした後で、還付申請をすることで、84,096円になります。161,526円を病院にお支払いされていましたが、健康保険から高額分として、差額77,430円が払い戻しされます。

入院費用と外来費用を合算して、限度額適用認定証で高額療養費使うことはできません。入院と外来を合わせて高額療養費の限度額にするためには、後で還付の手続きをすることになります。

 

限度額適用認定証を使わなかった場合。還付申請1回で高額療養費の手続き終了です。

上記と同じ条件で、限度額適用認定証を申請しない、還付手続きだけの場合を書き出してみます。(※入院と外来合わせて、1か月200,000円だった。)

  • 入院費用、100,000円。
  • 外来費用、100,000円。

※限度額適用認定証の手続きは、省略。

入院と外来を合わせて、還付申請をすることで、84,096円になります。後日、200,000円との差額、115,904円が健康保険から返金してもらえます。

限度額適用認定証を使わなくても、還付申請1回で、入院と外来を合算して高額療養費が計算されます。

 

3割負担の医療費が高額だったら限度額適用認定証を使っても良いです。

もしも、3割負担でお支払いできない医療費になった場合は、手間はかかっても無理せず一度「限度額適用認定証」を手続きして使いましょう。

私も、入院と外来がどちらも高額療養費の対象になったなら、最初から「還付申請」をします。ですが、金額次第で限度額適用認定証を使うことも考えます。

上記のように、入院と外来で10万円ずつ、合計で20万円だったら、一時的に3割負担でもお支払いできます。しかし、入院が100万円、外来で10万円、となれば、一時的とはいえ、110万円もお金を用意するのは難しいです。なので、限度額適用認定証で一度お支払いする金額を下げてから、還付の手続きをします。

  • 入院費用、1,000,000円。
  • 外来費用、100,000円。

限度額適用認定証を使うと、入院と外来、一度それぞれの限度額で計算されます。

  • 入院費用、110,763円。
  • 外来費用、80,763円。

入院と外来で、それぞれ医療費をお支払いした後で、還付申請をすることで、114,096円になります。191,526円を病院にお支払いされていましたが、健康保険から高額分として、差額77,430円が払い戻しされます。

元々3割負担で1,100,000円(110万円)でした。高額療養費の手続きを1回で済ませたいからといって、そのまま支払って還付手続きをすれば、一気に114,096円になります。ということは、現金でもクレジットカードでも、110万円を支払えなければならないのです。

クレジットカードで分割払いにしても、110万円の負担は大きいです。後で返ってくるとしても、一時的にお金を用意することが一般的に考えて難しい。

なので、このように3割負担でお支払いが難しいときは、入院費の1,000,000円(100万円)を、限度額適用認定証で下げてしまいましょう。すると1,000,000円だった入院医療費が110,763円になります。限度額適用認定証を使っても、11万円ですからまだまだ十分高額ですけども。

そして後日、還付申請をすれば、高額療養費を適用させた最終的な自己負担額が計算されて、多く支払っていた77,430円が戻ってきます。

 

入院と外来を合算して高額療養費を適用させる場合は、限度額適用認定証を使っても、もう一度高額療養費の手続き(還付申請)をすることになります。

最終的な患者さんの自己負担額は変わりません。高額療養費の書類を書く手間を考えたら、初めから「還付手続き」をした方が楽なので、おすすめです。

 

入院費用と外来費用、高額療養費の合算できる条件はこちらの記事に詳しく書いています。あなたのお役に立てれば幸いです。

→高額療養費は外来と入院で使える?合算ができる条件は?はこちら

 

高額療養費の記事は他にもあります。回数や計算など、参考にご覧ください。

→高額療養費まとめ。限度額適用認定証や回数、計算、合算など。はこちら

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