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もし入院中だから他院受診の医療費を10割請求されたら?支払う必要ない。

  • 「入院中に他院受診した病院や調剤薬局から、医療費を10割負担で請求された。」
  • 「入院中は他の病院を受診できないので、全額自費になると言われた。」

という患者さんやご家族の方から、ご相談いただくことがよくあります。

結論から書きますと、患者さんやご家族の方は、他院受診分を10割で支払う必要はないです。

入院中の他院受診した場合は、0円か、3割負担になります。健康保険の負担割合は、入院中だとしても変わりません。69歳未満の一般の患者さんは、基本的に3割負担です。70歳以上の高齢者の患者さんは、2割か1割負担です。

今回は、もし入院中の他院受診という理由で、10割負担の請求をされた時どうしたらいいのか?ということを、ご説明します。

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入院中だから他院受診の病院に10割負担で請求されても支払う必要はありません。

クリニックや病院に、「入院中の他院受診だから」という理由で、10割負担での医療費請求をされた場合、患者さんは支払わなくてもいいです。支払う必要がないので。

入院している患者さんが、ほかの病院を受診する場合、患者さんの自己負担額は、0円か、通常の健康保険を適用させた負担割合(3割負担)になります。

入院している病院や病棟が、検査や治療が入院料に積み重ねて計算していく「出来高」だった場合、病院や病棟、外来受診先の診療内容によって変わります。

入院している病院や病棟が、検査や治療が入院料に含まれる「DPC」だった場合、他院受診先での患者さんのお会計は0円になります。

このように入院中の病院や病棟などによって変わるため、3割負担になるのか、0円になるのかは、わかりません。

ただひとつ、患者さんにはっきり言えることは、『3割負担か0円のどちらかなので、入院中という理由で他院受診した病院に、10割負担で請求されても、お支払いする必要はないですよ。』ということです。

入院中の他院受診したときの医療費、3割負担か0円かについては、こちらのページに詳しく書いています。

→入院中に他の病院した医療費、患者さんのお支払いは3割負担か0円。はこちら

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他院受診した医療費は入院している病院にまとめるもの。入院中の病院に請求が正解。

では「実際に他院受診した病院から、10割負担で医療費を請求された時は、どうしたらいいのか?」というお話をしていきます。

患者さん、ご家族の方は、「入院中に他院受診した場合、患者の自己負担額は3割か0円になります。」ということをお伝えください。

他院受診先の病院、場合によっては入院している病院で、お話いただきたい要点は以下5つです。

  • 出来高計算の病院や病棟の場合は、3割負担か0円。
  • DPC計算の病院や病棟の場合は、0円。
  • 出来高計算の病院や病棟に入院中で3割負担のときは、入院中の病院の入院料を5%~40%引いて(控除して)、他院受診先はそのまま3割は患者さん負担、7割を保険請求する。
  • 出来高計算の病院や病棟に入院中で0円のとき、DPC計算病院や病棟に入院中のときは、他院受診先の医療費は10割を入院中の病院に請求する。他院受診先の患者さん負担はなし(0円)。
  • 出来高計算の病院や病棟で、患者さんの自己負担額を3割負担にするか、0円にするかは、入院中の病院事務と他院受診先の病院事務で話し合うもの。

↑このことについては、令和4年診療報酬点数表 第2部入院料等 通知<通則>「5 入院中の患者の他医療機関ヘの受診」に書いています。

診療報酬点数表(解釈)は、厚生労働省が決めた病院医療費をまとめた本です。金額的に高いもので、事務員が全員持っていなくても、どの病院にも最低でも1冊は常備されています。

しろぼんねっとというサイトでは、この診療報酬点数表をネットに掲載してくれています。専門的な内容や書き方で、患者さんには難しいとは思いますが、「5 入院中の患者の他医療機関ヘの受診」のリンクを掲載しておきます。

スマホなどで表示させたり、印刷したりして、病院の事務に見せるのもおすすめです。

→しろぼんねっと「5 入院中の患者の他医療機関ヘの受診」はこちら

 

入院中の他院受診だから10割負担で請求された時の対応。病院受付に説明お願いします。

繰り返しになりますが、「入院中の他院受診だから」という理由で、患者さんが他院受診先の病院に10割で医療費をお支払いすることは間違っています。

入院中の他院受診でも、患者さんの自己負担額は、3割負担か、0円のどちらかです。それは厚生労働省が決めていることなので、健康保険を使える日本の病院は、どこの病院でもこのやり方に従ってやらなければなりません。

他院受診した病院は、入院中の患者さんの医療費を健康保険に請求すると、審査で落とされて請求書を返されてしまいます。(入院中の病院も同じですが。)だからといって10割で患者さんに請求するなんておかしな話です。

「入院中の患者さんは、健康保険を使えないんですよ。10割で全額自費になります。」と外来受診した病院は、患者さんに言いますが、これは半分本当、半分間違っています。

入院中の病院と他院受診先の病院が、連絡を取り合ってきちんと手続きを済ませれば、入院中の病院も他院受診先の病院も保険適用させることができます。(※患者さんは3割負担になります。)

他院受診先の病院が保険適用させられないとき、DPCで入院中の患者さんなど、健康保険を使えないのなら、請求する相手は、入院中の病院です。何をどう考えても、患者さんに請求するものではない。

入院中の患者さんが他院受診したとき、他院受診先の病院で保険請求できないこと、しないことは、入院中の病院で行われたことにして入院中の病院医療費に含めること。となっています。(※これも厚生労働省が決めていることです。)

本当ならば、入院している病院や他院受診した病院が、理解していなければいけないこと。なので、「請求する相手を間違っている。」なんて患者さんやご家族から病院に言うのもおかしな話ですが・・・。

入院している期間は、病気を治療してもらいお世話になり、また入院を継続される患者さんにとっては、これからもお世話になるので、円満に済ませたいものですよね。

患者さんやご家族の気持ちを考えると、とても言いにくいこととは思いますが、

「入院中の他院受診は、『入院中の病院は入院料を一部引いて他院受診先の病院はそのまま保険請求する』か、『他院受診先の医療費は入院している病院の医療費請求書に含める』のどちらかなんですよ。」

ということを、病院の受付や会計に説明をお願いします。

もし信じてもらえないようでしたら、【令和4年診療報酬点数表 第2部入院料等 通知<通則>「5 入院中の患者の他医療機関ヘの受診」】に書いている旨をお伝えください。

→しろぼんねっと「5 入院中の患者の他医療機関ヘの受診」はこちら

 

「入院中の他院受診」については、別のページもあります。こちらも参考になれば幸いです。

→もし入院中に他院受診してしまったら?正直に病院スタッフに言うこと。はこちら

→なぜ入院中は他の病院を受診したらダメなのか?薬が欲しいだけなのに。はこちら

→入院中に他の病院した医療費、患者さんのお支払いは3割負担か0円。はこちら

→入院患者が他の病院へ行く前にやること。入院中の病院でできない事か、確認。はこちら

→入院患者の他院受診は厚生労働省が認めています。断ることはできない。はこちら

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